大仙市二日町にある「鈴木酒造店」(TEL:0187-56-2121 http://www.hideyoshi.co.jp)。
秀よし大吟醸2552円、寒造り純米酒1523円(各720ml)。蔵元きっての美人スタッフをパチリ。
国道沿いを走っていると、時折カラフルなパラソルが目につく。クルマを止めると「ババへラ・アイス」の文字。おばあちゃんがアイスクリームを売っている。ババ(秋田の方言でおばあちゃん)が専用のヘラでコーンにピンクとイエローのアイスを盛ってくれる。秋田の夏の風物詩だそうだ。懐かしい素朴な風味にほのぼのしてくる。「20年もババへラやってたら本当のババアになっちゃった」と屈託なく笑う姿が印象的だった。
大仙市二日町にある鈴木酒造店は、元禄二年(1689)創業で県内でも指折りの老舗だ。嘉永年間に藩の御用酒となり、佐竹藩より「秀よし」の酒銘を賜った逸話も残る。
酒米は和釜の直火炊き、麹は手造りと昔ながらの酒造りにこだわる。事前に予約すれば酒蔵の見学も可能だ。社長の鈴木直樹さんに話を聞いた。
「奥羽山脈からの伏流水と良質な米という恵まれた原料と、寒冷地で長期低温発酵が可能なことから、柔らかく芳醇な口あたりの酒ができます」
昔から『灘の男酒、秋田の女酒』といわれているそうだ。ここのスタッフに色白の秋田美人を発見! 写真を撮らせていただく。薄化粧だが、肌が透き通るように白くキメ細やか。周囲に酒の香りが漂うだけあって、空気中の酒が肌に浸透しているのかも? そういえば社長も肌がツヤツヤだった…。
「秋田で酒といえば日本酒。女友達も酒豪揃いです。麹には美肌効果もあるみたいですよ。以前麹造りを手伝ったとき、手がツルツルになってビックリしました」
見学後は、冬ならノンアルコールの甘酒、夏なら米シャーベットが味わえるお楽しみ付き。今晩は銘酒を堪能しようと、一升瓶を買い込んだ。
最終日、やはり秋田美人の原点に触れなくてはと、秋田美人の端を発すると言われる、平安時代の歌人・小野小町生誕の地、県南の湯沢市雄勝へ向かう。出生地であるという「小町塚(小町堂)」、小町自作の像が収蔵されている「向野寺」、晩年に住んでいたといわれる「岩屋洞」と、周辺に小町ゆかりの史跡が点在する。ちょうど訪れた時期は毎年6月の第2日曜に行なわれる「小町まつり」の準備中で、「小町塚」に舞台が作られていた。小町が愛した芍薬の香る6月、朱塗りの小町堂を背景に市内から選ばれた7人の小町娘たちが市女笠に身を包み、小町堂を巡り七首の和歌を朗読する。小町を偲ぶ華やかで幻想的な祭りだ。田沢湖畔にある「たざわこ芸術村」では、来年1月まで、内館牧子さんの脚本によるミュージカル小野小町を上演中。彼女の生涯に思いを馳せて観るのもいいだろう。
秋田で出会ったさまざまな年代の女性たち。顔形の美しさだけでなく、総じて「強さ」を感じた。老いも若きも与えられた仕事をパワフルにこなし、いきいきと魅力的に映る。紆余曲折がありつつも92歳まで力強く生き抜いた、小野小町に通じるものが受け継がれているようだ。「見た目だけではなく内面も磨き、前向きに生きる女性は美しい」と、改めて気づかされる旅となった。