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第31回 全国スバルサービス技術コンクール マイスター部門

SUBARU TECHNICAL COMPETITIONスバルサービス技術コンクール
マイスター部門とは?

お客様の「安心と愉しさ」を守るため、ヒトとクルマに日々向き合いながら、技術を磨き続けるSUBARUのフロントスタッフとメカニックが自分たちをよりレベルアップさせ、切磋琢磨し競い合う― サービス技術コンクールはSUBARUのサービススタッフがより輝く場を提供するべく、2年に一度全国大会が開かれています。
現状に満足せず、お客様により良いサービスを提供するために「もっともっと」と探求心を養い、自分を信じて挑み続け努力する姿は、自身のみならずサポートしてくれる周りにも活気を与えてくれる、そんな伝播が生まれていくことを目指し、本コンクールは開催から31回目を迎えました。

SUBARU TECHNICAL COMPETITIONこれまでと違う広い会場
コンクールに込められている意図とは

今回のコンクールでは初めて、これまでの会場であった「スバルアカデミー(東京都)」を離れ、「神戸国際展示場(兵庫県)」にて開催されました。より大きな会場で、普段は遠方となり参加しづらい西日本のディーラースタッフ、さらには選手家族にも観戦、応援してほしいという思いを込めての開催でした。

会場には選手応援、関係者以外にも整備学校の生徒も観戦している様子がうかがえました。選手たちが真剣に競技に取り組む姿は、未来のフロントスタッフとメカニックたちの気概を焚きつけるようないい刺激となったことでしょう。

また、会場中央には初の試みとして各ディーラーから出場選手へ向けた応援ポスターや、STI NBR CHALLENGE(ニュルブルクリンク24時間レース)で実際に使用され、クラス優勝を果たしたSUBARU WRX STIが展示されていました。

応援ポスターには「栄光をつかむチャンス!!全力で取りに行ってください!」「大丈夫!!日頃の努力は裏切らない!」など各ディーラー毎に創意工夫に富んだ、熱いメッセージが込められており、お店と選手の絆が感じられました。中には選手の似顔絵なども…!

WRX STIの展示スペースには多くの人が集まり、まじまじと車両を眺めていました。この2018年度のレースにSTIチームとともに参加し、今回観戦に来ていたディーラーメカニックが「自分が写っている!」と車両隣にある紹介パネルと一緒に写真を撮っている姿も見られました。

SUBARU TECHNICAL COMPETITIONスバルサービス技術コンクールでは
何が行われている?

広い会場を囲うように設置された12個の競技ブース。それらの各ブースには店舗を模擬したデスクや電話およびバックヤードそして車両整備のスペースが再現されています。この空間の中で、電話による来店予約、受付、おクルマの状態や日常の使い方のお客様へのヒアリングから始まり、フロントスタッフとメカニックが連携して、車両の不具合の発見、点検整備結果のご報告等、実際にお客様がご入庫いただいた際のやり取りを想定した流れがロールプレイング形式で実施されます。

必要とされているのはお客様の期待を超える満足をご提供すること。そのためにフロントスタッフは基本的な接遇やお客様の心情に寄り添ったヒアリング、さらに作業終了後に点検整備の結果をわかりやすくお伝えできているか、より良いカーライフを送るためのアドバイスが出来ているかが評価のポイントとなります。メカニックは、点検作業や、故障現象の確認と診断が、「確実」「迅速」「丁寧」に行えているかに加え、作業の結果をフロントスタッフにいかに正確に伝えることが出来ているかを競います。

つまり、日頃、業務にて実践していることが競技となっているため、ひとりひとりの技能のみならず、お客様をお待たせしないで、ご満足いただけるサービスを提供できるかが重要なポイントです。

SUBARU TECHNICAL COMPETITION競技が始まってからの様子

競技が始まると、緊張した面持ちが見られつつも、順々に各々の役割をこなしていく各チーム。応援のディーラースタッフや家族も各ブースの前でじっと選手らを見守りながら観戦していました。 また、選手たちの勇姿を収めようとカメラを手にしている方も多くおり、代表として選出された彼らへの期待も感じられました。競技の観戦にはブースごとに競技を中継するモニターや、選手同士の会話を聞くことができる(フロントスタッフとメカニックのコミュニケーションが何よりも重要です)インカムが配布されており、最前列にて観戦できなくとも競技内容や状況が臨場感とともに把握しやすくなっています。
この競技ではフロントスタッフとメカニックの連携が肝で、お互いに得られた情報の伝達がしっかりしていないと、故障箇所の発見に時間がかかったり、お客様のご満足のいく説明が出来ないことにつながります。いかにお互いを考えながら、そして信頼しながら課題の解決へと進められるかというチームワークが見どころとなります。
あっという間に時間は経ち、「競技時間終了です」というアナウンスの後、各ブースの選手たちに大きな拍手が送られます。フロントスタッフとメカニック同士で肩を抱き合うなど互いの健闘をたたえている姿が印象的でした。競技終了後の選手たちは応援に駆け付けた同じ販売店の方と悔しそうに話していたり、安心した表情を浮かべた後に笑顔で話していたりと様々でした。

SUBARU TECHNICAL COMPETITION今大会での注目ポイント

広い会場になったことで、観戦者で会場がにぎわっても各ブース間の移動が容易となった。

これまでの中継モニターに加え、インカムによるフロントスタッフとメカニック間のやりとりを観戦者が聞けるようになった。

SUBARU TECHNICAL COMPETITION応援スタッフに聞いた会場の印象と
送り出した選手への期待

三重スバルのみなさま

Q. 今回は初の神戸開催でした。会場の印象はいかがですか?
A.広いし、ワンフロアで全体の雰囲気が見えるのがいいですね。

Q. 大会を通して、選手たちにどう成長してほしいですか?
A. 前回選手として出場したからこそ感じることなのですが、とても多くの人に注目されるという初めての経験を得られることを活かし、将来、出場選手となる人たちに教えていく立場になっていってほしいです。

富士スバルのみなさま

Q. 今回は初の神戸開催でした。会場の印象はいかがですか?
A.いつもと雰囲気が違うので新鮮味があっていいですね。

Q. 大会を通して、選手たちにどう成長してほしいですか?
A. これをきっかけに、基本に戻る姿勢を大切にすることを忘れないように頑張っていってほしいです。

SUBARU TECHNICAL COMPETITION競技を終えて

競技後、その場にいた選手と応援のスタッフに競技を終えての感想を聞いてみました。

埼玉スバルのみなさま

Q. 競技を終えて手ごたえはいかがでしたか?
A. フロントスタッフ前田選手:個人の練習だけでなく、周りには時間を頂いて勉強会もいろいろやっていただいたおかげで、やれることは全力を出し切れました。ただ、後で内容を精査すると反省もありますが、悔いは残らないようにできたのではないかと思います。
メカニック大塚選手:ひと段落したなという開放感が今は大きいです。観戦者のみなさんが見守ってくれている視線も感じながら楽しくやれたかなと思います。

Q. 選手たちを見ていていかがでしたか?
A. 応援スタッフ:選手は悔いなくやってくれたと思うので、あとは彼らを信じて結果を待ちたいと思います。

南信スバルのみなさま

Q. 競技を終えての感想はいかがですか?
A. フロントスタッフ大根選手入社して2年目で知識もまだまだの中での出場だったのですが、ここ数か月頑張ってきたことを信じ、悔いは残るもののやり切りました。でも緊張はすごくしました。
メカニック北原選手:自分の中では今までやってきたことはできたなと思います。ただ、勉強していないところが出て焦りました。落ち着こうと冷静になり、なんとか原因を突き止められたのでよかったです。自信は正直まあまあ…結果を待つのみです。

Q. 選手たちにコメントをお願いします。
A. 応援スタッフ:本当にしっかりやってくれたと思います。何日もずっと勉強してきて今日やり切ってくれたので大変うれしかったです。お疲れ様と言いたいです。

Q. 大会を通して、選手たちにどう成長してほしいですか?
A. 応援スタッフ:練習の時点ですでに成長を感じているので、これからの日々の業務に活かしていってくれることを期待しています。

TEAM
WINNER
INTERVIEW

チーム優勝者インタビュー
“ 挑戦する事で自分に足りない事や間違っていた事がわかった ”
宮城スバル自動車株式会社 フロントスタッフ:熱海敬 一郎 選手、メカニック:鈴木 祐太 選手

Q. 優勝おめでとうございます。
優勝された今のお気持ちをお聞かせください。

A. 熱海選手:今でも信じられないような気持ちです。自分一人の力では、この場所に立つことは出来なかったと思います。パートナーの鈴木祐太君や指導者の方々、そして私たちを支えて下さった皆様に感謝をしております。本当にありがとうございました。
鈴木選手:目標としていた宮城スバル2連覇が達成でき、大変うれしく思います。指導していただいた方々、サポートしていただいた方々、支えてもらった家族に、感謝の気持ちを結果で応える事ができ本当に良かったです。
ただ、私個人としては、世界大会出場が叶わなかったので嬉しさ半分、悔しさ半分の複雑な気持ちです。

Q. サービス技術コンクール出場を目指したキッカケを教えてください。
A. 熱海選手:自分の実力がどこまで通用するのか、そして、メカニックからフロントスタッフに転向することを勧めてくれ、たくさんのことをご指導頂いたかつての上司に恩返しをしたいという事から出場を目指すようになりました。
鈴木選手:出場経験のある尊敬する先輩からバトンを受け取り、先輩が果たせなかった全国優勝を果たそうと、約束したのがキッカケです。加えて、今までメカニックとして頑張ってきたこと、培ってきたことを試してみようと思いました。

Q. この優勝をつかむことは本当に大変だったと思います。ご苦労されたことがあれば教えてください。
A. 熱海選手:練習では何回もテーマを変更して本番に向けて取り組みました。その中には思うようにいかず、心が折れそうになることもありましたが、その度に初心に戻り自分に負けないように努めました。
鈴木選手:前回大会優勝という大変重い責任をともなったバトンを受け取りました。つまり、今回は2連覇がかかった特別な大会で、勉強する上で常に2連覇という文字が頭に過っていました。そのプレッシャーとの戦いが苦労しました。

Q. チームとして優勝できた要因は何だったと思いますか?
A. 熱海選手:お互いが練習でやってきた事を信じて出来たこと、それにより、メカニックとフロントスタッフの連携がうまく取れ、全てを出し切って練習以上の実力を発揮したことが、最高の結果に結び付いたと思います。
鈴木選手:細かい事なのですが、競技中2人にしかわからないフォローが互いにたくさんありました。少ない情報量でも理解できるようトレーニングをしてきたおかげで、お互いがお互いを助け合うことができました。同じ店舗で一緒に働いた時期もありましたし、普段からコミュニケーションが取れているチーム力の高さが要因だったと思います。

Q. 今後、コンクールを目指す方々に向けてメッセージをお願いします。
A. 熱海選手:フロントスタッフ業務の基本を最初から見つめ直す事が出来ると思います。普段、業務で行っている「挨拶」「言葉遣い」などが間違っている事がたくさんありました。基本が出来ていないとお客様へ最高の応対が出来ないので、基礎を磨いて自分の実力以上のものが本番で出せるように取り組んで下さい。
鈴木選手:今までの経験を発揮する最高の舞台だと思いますし、挑戦する事で自分に足りないものや間違っていた事がわかり、自分自身のレベルを上げる事ができます。技術コンクール参加を目指す過程は絶対に無駄にはならないと思うので、是非、挑戦していただきたいと思っています。

Q. 点検・修理にいらっしゃるお客様に向けてメッセージをお願いします。
A. 熱海選手:自分の持ち味は「元気」と「笑顔」なので、この二つをいつも心掛けながら全力で取り組んでいます。
より多くのお客様がスバルの「安心と愉しさ」を感じていただける様に、カーライフをサポートします!お気軽にお声掛け下さい!
鈴木選手:スバルにお乗りいただいているお客様に「安心と愉しさ」をご提供できる様に、これからも日々努力して参ります。

FRONT
STAFF WINNER
INTERVIEW

フロントスタッフ優勝者インタビュー
“ 次の“3連覇”を成し遂げてくれるよう学びを伝えたい ”
宮城スバル自動車株式会社 熱海 敬一郎 選手

Q. フロントスタッフ個人としても優勝、改めておめでとうございます。個人表彰でもお名前を呼ばれた瞬間はいかがでしたか?
A. 今まで感じた経験の無い感覚でした。手と足が震えていたのを今でも鮮明に覚えています。
今までやってきたことが間違っておらず、そして、今回のコンクールに出場するまでに、たくさんの皆様に支えられて今、自分がこの場所に立てていることを改めて実感いたしました。

Q. 優勝できた要因は何だったと思いますか?
A. 思うようにいかなかった部分もありましたが、そのことに委縮せず、笑顔を忘れずに思いっ切りできたことが今回の勝因と感じています。それに加え、パートナーのメカニックと練習時を上回る連携が取れたことです。

Q. 今後の展望や新たな目標があれば教えてください。
A. ひとりでも多くのお客様が「スバルを選んで良かった」と思っていただけるように、お客様からの信頼を大切にしていきたいと思っております。そして、次回の大会で宮城スバルが「3連覇」を成し遂げられるよう、今回経験して学んだことを周囲に伝え、自分のスキルに今まで以上に磨きをかけて、日々の業務に励んでいきたいと思います。

TEAM
WINNER
INTERVIEW

メカニック 優勝者インタビュー
“ 自分自身のさらなるステップアップを目指して ”
栃木スバル自動車株式会社 松本 拓 選手

Q. 優勝おめでとうございます。
優勝された今のお気持ちをお聞かせください。

A. 正直、驚いています。優勝できたのは自分の力だけでなく、全国大会に向けてご協力して下さった皆様や、自分が不在となる中、カバーして下さった店舗の皆様のおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

Q. サービス技術コンクール出場を目指したキッカケを教えてください。
A. 上司の一言をきっかけに、自分自身のさらなるステップアップを目指して出場を決めました。

Q. この優勝をつかむことは本当に大変だったと思います。ご苦労されたことがあれば教えてください。
A. 練習はもちろん大変でした。やはり時間内に全ての作業が完了できるか不安でした。
練習でも時間内に終わらないことが度々あり、予選会でも最後まで診断できなかったので、時間管理を特に意識して、安全かつ正確な診断を心がけました。

Q. 優勝できた要因は何だったと思いますか?
A. 練習でやってきたことを信じて競技に臨んだことで、100%以上の力が発揮できたのだと思います。

Q. 今後、コンクールを目指す方々に向けてメッセージをお願いします。
A. 正直なところ勉強は大変だと思いますが、この挑戦はとても良い経験になり、自分の為になりますので、チャンスがあれば、ぜひコンクール出場を目指してください。

Q. 来年の世界大会に向けてメッセージをお願いします。
A. 前回の世界大会では日本代表選手が優勝しているので、プレッシャーはあります。自分の力が世界の舞台でどこまで通用するのかわかりませんが、この機会を楽しみたいと思います。

SUBARU TECHNICAL COMPETITION総合表彰受賞者

優勝
宮城スバル自動車株式会社
フロントスタッフ
熱海 敬一郎選手
メカニックスタッフ
鈴木 祐太選手
準優勝
北陸スバル自動車株式会社
フロントスタッフ
廣瀬 暁選手
メカニックスタッフ
上田 佳孝選手
第3位
大阪スバル株式会社
フロントスタッフ
西川 貴文選手
メカニックスタッフ
山川 征俊選手

SUBARU TECHNICAL COMPETITIONフロントスタッフ個人表彰受賞者

優勝
宮城スバル自動車株式会社
熱海 敬一郎選手
準優勝
千葉スバル自動車株式会社
藤城 健一郎選手
第3位
新潟スバル自動車株式会社
佐藤 高志選手

SUBARU TECHNICAL COMPETITIONメカニック個人表彰受賞者

優勝
栃木スバル自動車株式会社
松本 拓選手
準優勝
宮城スバル自動車株式会社
鈴木 祐太選手
第3位
北陸スバル自動車株式会社
上田 佳孝選手

SUBARU TECHNICAL COMPETITION全国スバルサービス技術コンクール
まとめ

閉会式後の会場では自分たちの結果に満足した者、しなかった者、悔し涙を流した者、と様々な感情があふれていました。ですが、各々選手にとってコンクールに参加することでしか得られない気づきがあったのではないかと思います。技術を磨くことで自分の自信になり、さらに仲間との信頼を深めることで店舗全体の活気へとつながる。そして、お客様にさらなるサービスを提供することにつながっていく、サービス技術コンクールはそんな循環を生むきっかけとなっていくでしょう。

次回の技術コンクールは、1年後のスバル世界サービス技術コンクール。今回のマイスター部門・メカニック個人優勝を成し遂げた松本選手(栃木スバル)が、世界各国から選抜されたメカニックたちと競い合います。世界大会がよりレベルの高い競いとなることを期待するとともに、今回優勝に届かなかった選手、まだ参加したことのない選手が次の全国大会で各々の力を発揮できるよう、日々の取り組みから力をつけ続けていくことを願っています。

また、こうして努力を積み重ねているSUBARUのスタッフが、お客様の大切なおクルマを末永くご愛用いただけるようサポートしてまいりますことを本記事を通してお伝えできればと思います。

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