走るほど心は浄化され、
無心になった。
私は旅行ではなく、
旅をしているんだ。そう思った。

2021.11.25 | #1 Niigata Touring /Day1:DRIVE「越後七浦シーサイドライン/弥彦山スカイライン」
本州日本海側の唯一の政令指定都市。日本屈指の米どころ。
ふたつのキーワードから湧いてくるイメージは、港湾都市と田園風景。新潟を訪れる前の私は、港と田園の二色刷りの景色を思い浮かべていた。しかし実際に走り抜ける新潟は広く、変化に富んだフルカラーの眺めで目を楽しませてくれる。 
長い砂浜を過ぎ、杉板を外壁にして風雪に耐える集落を過ぎ、ビルに囲まれた市街地を過ぎ、さびしげな漁村を過ぎ、車は海沿いの国道402号線を走る。地元民がこの季節には珍しい、と言っていた日本海の高波は、来たる冬の厳しさを予感させた。 
「ずいぶん遠くまで来たな」。それが私の第一の感想だ。 
都会の景色を見慣れている私にとって、紙芝居のように目まぐるしく変化する風景は、実際の距離以上の非日常感を与えてくれる。
新潟県 越後七浦シーサイドラインを駆け抜けるレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
新潟県 弥彦山スカイラインを駆け抜けるレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
『越後七浦シーサイドライン』に入ると、さらに人工物より自然の比率が高くなった。海との対比でいっそう色濃く見える緑や岩の黒が、フロントガラスの向こうを流れていく。およそ14km、日本海沿いを走るドライブルートは、奇岩、景勝を織り交ぜながら、徐々に自然の胎内へ旅人を導いてくれる。やがて左手の崖の上に白い灯台が見えた時、ふと独特の激しい感性で故郷を描く、あの新潟生まれの作家の小説が頭に浮かんだ。
「白い燈台があった。三角のシャッポを被っていた。ピカピカの海へ白日の夢を流していた。古い思い出の匂がした。佐渡通いの船が一塊の煙を空へ落した。海岸には高い砂丘がつづいていた。<後略>」(坂口安吾/ふるさとに寄する讃歌) 
文章が目の前の景色とピタリと重なり、突如景色はより立体的に、色彩豊かに変わる。あるいはただの雄大な海景色なら、ここまで感慨は浮かばなかったかもしれない。そこに灯台という人工物があるから、いっそう引き立つ自然の雄大さ、偉大さ。ただ流れ去っていく景色が、まるで船が波間に残す泡のように、心の中に何かを残していくような気がした。
新潟県 越後七浦シーサイドライン白い灯台 | SUBARU グランドツーリングNIPPON

“やがて左手の崖の上に白い
灯台が見えた時、
ふと独特の
激しい感性で故郷を描く、
あの新潟生まれの作家の小説が
頭に浮かんだ”

新潟県 弥彦山スカイラインを駆け抜けるレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
秋の海に後ろ髪を引かれながら、東にハンドルを切る。向かうのは『弥彦山スカイライン』だ。山間に進むごとにワインディングは強くなり、右足はアクセルとブレーキを行き来するペースが上がる。時折木々の隙間に、輝く海が見える。
20分ほどのドライブで、車は山頂に着いた。巨大な駐車場と、日に焼けたひさしのレストハウスがある。高さ100mの回転式展望塔はシーズンオフのためか、強風のためか、動いていなかった。到着したロープウェイから、数人の客が降りてくる。まるでデパートの屋上遊園地のような、どこか切ない郷愁がよぎる。 
頂上からさらに100段ほどの石段を登ると、先程間近に見ていた海を眼下に見下ろす絶景が広がった。次いでレストハウス側に回ると、見渡す限りパッチワークの田園風景が広がっていた。『弥彦山』の標高は634m、ちょうど東京スカイツリーと同じ高さ。だが、ここでも田園の中の民家や波間の船といった人工物がアクセントとなり、町並み一色、自然一色の景色よりもいっそう雄大さを感じさせる。 
新潟県 弥彦山山頂で佇むレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
共存、と呼ぶには自然の比率が高い。それはいわば人が自然の一部に過ぎないという、原始的な哲学を思い起こさせる風景だ。新潟で感じる自然のスケール感は、きっとそんなバランスの上に成り立っているのだろう。
「ここに来て、良かった」。 
はっきりとそう思った。それは美しい景色を見たという即物的な感情ではなく、新たな景色の愉しみ方を知ることができた喜びからだった。
新潟県 弥彦山スカイライン山頂の様子 | SUBARU グランドツーリングNIPPON

“山間に進むごとにワインディングは強くなり、
右足はアクセルとブレーキを
行き来するペースが上がる”

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新潟県 越後七浦シーサイドラインを駆け抜けるレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON

#1 Niigata Touring/Day1:DRIVE
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