玄界灘で見た朝日と夕日。
複雑に入り組んだ海岸線は私に、
自然の偉大さと人の営みの美しさを教えた。

2022.03.15 | #20 Saga Touring /Day1:DRIVE「【外海】虹の松原・鏡山・加部島・玄海町」
佐賀には海が2つある。
ひとつは荒々しい波が削り取った奇景・絶景が広がる玄界灘、ひとつは穏やかな海に独特の生態系を育む有明海。まったく景色の異なる2つの海は、2つの異なるドライブを体験させてくれる。
この日、私は玄界灘を目指した。早朝、唐津を出発し、海沿いを進む“外海”のルート。
「さあ、どんな景色が待ち受けているのだろう」。
遠足の朝の子供のように、高揚感で早くに目覚めた私は唐津市内の海岸線に続く「虹の松原」に向かった。ここは海から吹く風を防ぐ防風林として整備された、4.5kmに渡って約100万本ものクロマツが群生する景勝地。
早朝で車はまばらだ。密度の濃い木々がトンネルのように続く。クロマツが押し寄せてくるように見えるのは、長い期間海風を受け続けて木々が一方向に傾いているから。風、という目に見えない現象を可視化したような眺めに、改めて自然のエネルギーを感じる。
佐賀県 「虹の松原」のクロマツを駈けるレヴォーグ(アイスシルバーメタリック) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 「虹の松原」クロマツ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 「虹の松原」に佇むレヴォーグ(アイスシルバーメタリック) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
少し窓を開けてみる。清涼な森の空気のなかに、かすかに混じる潮の匂い。心地よい自然のエネルギーがある場所を「“気”が良い場所」と感じることがあるが、そこには匂いの要素も重要なのだろう。都会に居ると忘れがちな“土地の匂い”を、私は早朝の唐津で思い出した。
駐車場の脇に海に抜ける細道を見つけ、進んでみた。車でそのまま浜へ出ることができた。朝日が海の色を黒から青に変える。木々を押し曲げるほどの海風は冷たい。しかし長きに渡って大地を吹き抜けるこの風、ハンドルを通してさえ感じるその圧力によって、むしろ体の中にエネルギーが満ちていくような気がした。
佐賀県 「玄界灘」とレヴォーグ(アイスシルバーメタリック) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
次いで私は、唐津のシンボルである鏡山へと向かった。山頂へと向かう道はつづら折りで、カーブごとに番号が振ってある。それによると全部で16のカーブがあるようだ。
山道は最初は木々に囲まれた山道だった。6番目のカーブで木々の切れ間にちらりと唐津湾が見えた。その後のカーブでもまた少し。そして11番目のカーブで、まるで舞台の幕が上がるように海景色が開けた。息を呑むような絶景だった。カーブはどれも急角度だ。ハンドルを切る度に、重力の存在を感じる。集中力が増し、気分が高揚する。絶景と走り甲斐のあるカーブ。運転の醍醐味が堪能できる山道だ。
16のカーブを抜けた頂上には駐車場があり、その先には展望台があった。そこにはさらなる絶景が待っていた。
佐賀県 唐津市のシンボル「鏡山」のカーブを走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 「唐津湾」と「鏡山」を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
それは首の可動範囲を越えるパノラマ。視界に収まり切らない圧倒的な景色。先の虹の松原は、遠望すると密度の濃い森に見える。唐津湾には小さな島がぽっかりと浮かんでいる。住宅街は川沿いを中心に肩を寄せ合っている。肉眼で見る、航空写真のような景色。この町の区画と文化、人と自然が寄り添って生きる暮らし方がわかるような、美しい光景だった。
佐賀県 「鏡山」から眺める「唐津湾」の絶景 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 「鏡山」から眺める唐津市内 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
しばし絶景を堪能した私は、車に戻り唐津湾に沿って北上する。時折、日光を反射してきらめく海が見える。イカで有名な呼子に差し掛かると「加部島」の案内看板が見えた。 目的地のないドライブだ。私は思いついたままにハンドルを切り、呼子大橋を渡る。視界の隅に、底まで見通せる透明な海が見えた。橋は大きくカーブし、視界が大きく開けた。心地よい爽快感が胸を満たしていく。
島の内部には一直線の道があった。坂道の向こうに見えなくなるまで両側に畑が続いている。直線を抜けると小さな集落があり、漁港へと繋がる。ここでもまた、人と自然が寄り添い生きる暮らしが垣間見えた。案内板によれば加部島は「壁島」とも呼ばれ、その名の通り玄界灘の荒波や風から町を守る壁のような存在だという。きっとこの島の存在は地理的にも精神的にも、地域住民の支えとなっているのだろう。
佐賀県 レヴォーグの車内から「加部島」を眺める | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 「加部島」の田畑の間を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
寄り道をしながら玄海町へ入る頃には、日が傾きかけていた。通りかかった漁港の町では、釣り人が帰り支度をしている。棚田の先に入り組んだ海岸線が見える場所を見つけ、夕焼けを待った。そこで見たのは、ただ美しい自然ではなく、どこか人の気配がする生きた景観だった。
思えば朝日と夕日を同じ玄界灘という海で見たことになる。多様性に富んだ景色と、リアス式海岸に添う複雑な道は飽きることがなく楽しめた。しかしそれだけではない何かを、佐賀の外海のドライブは私に残してくれた。それは自然と寄り添い生きるこの地の暮らし。自然が偉大であるのと同様に、人の営みも偉大であること。佐賀の景色は、この暮らしを築いた先人たちへの想いを募らせるような不思議な美しさに満ちていた。
佐賀県 玄海町 漁港とレヴォーグ(アイスシルバーメタリック) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 玄海町の山道から眺める漁港とレヴォーグ(アイスシルバーメタリック) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
佐賀県 夕焼けに映えるレヴォーグ(アイスシルバーメタリック) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
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