海の上に立ち、海の力を感じる。
はじめてのSUP体験で、
私はたちまちその感動の虜になった。

2022.05.13 | #31 Hiroshima Touring /Day3:EXPERIENCE「MAGICISLAND」
「瀬戸内海の海の色は、瀬戸内ブルーって言うんだよ」
瀬戸内で生まれ育った友人が、かつてそんなことを言っていた。淡くて、澄んでいて、深みのある独特な青。穏やかな気候の中でゆったりと揺れる、優しい色の海。
以来、私の想像の中の瀬戸内海は、いつも凪いでいて、そして美しかった。
今回、広島を旅することを決めたとき、私はその穏やかな海をもっと身近に感じたいと思った。遠くから眺める海も良い。海沿いの道を走るドライブも楽しみだ。だが同時に、海に直接触れるような体験もしたい。
調べていると、SUP(=Stand-Up Paddleboard)のパンフレットが目に止まった。大きなボートの上に立って、パドルを使って水上を進む。やったことはないが目にしたことはある。そして想像する。あの瀬戸内海の穏やかな海の上を、滑るように進む。それは海と一体になるような体験だろう。紹介文によると、初心者でもすぐにできるようになるという。四苦八苦しているうち、海を愉しむ間もなく終了してしまうこともないだろう。
すぐにSUPスクールを主宰する「MAGICISLAND(マジックアイランド)」にコンタクトを取った。「SUPを広島のカルチャーに」の掛け声のもと、精力的にSUP普及に務める同スクール。市内にほど近い川でも体験できるが、やはり瀬戸内海でお願いした。そして首を長くして待った当日を迎えた。
待ち合わせに指定されたのは、呉市の南、瀬戸内海に浮かぶ上蒲刈島、恋ヶ浜。現地に車で向かう道が、期待を高める。フロントガラスの向こうに見えるこの海、海道沿いに広がるこの海に、立つことができる。爽やかな島の道は、走っているだけでも心地良い。私は徐々にテンションを高めながら、恋ヶ浜に到着した。
広島県 呉市内を走るレヴォーグ(クリスタルホワイトパール) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
待ち合わせ場所には「マジックアイランド」のオーナー・西川隆治氏とSUP愛好家の平原望氏がすでに到着していた。挨拶を交わし、ウェットスーツに着替え、まずは陸で指導を受ける。
SUPは新しいアクティビティだと思っていたが、西川氏によればサーフィンの原型になったほど長い歴史を持つという。さらに運動効果によってアドレナリンが、波に揺られるリラックス効果でセロトニンが分泌されるとか。理屈はともかく、「やったその日から、とにかく愉しい」と西川氏は断言した。
広島県 「MAGICISLAND(マジックアイランド)」のSUP用サーフィンボード | SUBARU グランドツーリングNIPPON
広島県 足に巻くリーシュ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
基本レクチャーが終わり、いよいよ海上へ。まずは板の上でしゃがみこんだ状態から、立ち上がり、またすぐにしゃがむ練習をするという。
そして私は、瀬戸内の海の上に立った。
SUPは、思っていたほど簡単ではなかった。凪いでいると思った瀬戸内海だが、その上に立ってみれば、当然、波はある。波を横から受ければバランスを崩す。さらにSUPは一本のパドルで左右交互に水を掻くため、力加減を間違えれば水の抵抗に引かれてやはりバランスを崩す。
映像で見るSUPはもっと簡単に、ただ立っているだけに見えたが、実際に体験すると体幹に力を込め、関節を使ってうまく揺れを逃がすことが求められる。これは紛れもないスポーツだ。
広島県 恋々浜から見える瀬戸内海とサーファー | SUBARU グランドツーリングNIPPON
広島県 瀬戸内海 SUPの様子 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
何度か立ち上がる練習をしていると、横波に揺られ海に落ちた。海はまだやや冷たいが、なぜだか爽快な気分だった。
「気分はどうですか?」
「最高です!」
西川氏の問いに、私は叫ぶように答えた。西川氏も平原氏も笑っていた。それは初心者を指差すような笑いではなく、スポーツ選手がチームメイトに向ける親しげな笑いに見えた。やっと彼らの仲間になれたような気持ちになる。不思議なことに、一度海に落ちてからSUPが俄然愉しくなってきた。
広島県 恋ヶ浜 SUPの様子 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
広島県 恋ヶ浜 SUPの様子 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
しばらく練習していると徐々にコツが掴めてきた。周囲を見渡す余裕もできてきた。そして私は改めて、海の上に立っている、という事実に気付く。360度、どこを見渡しても海だった。遠く近く、大小の島々が見えた。足の下からは波のゆらぎを感じる。そこに潜む圧倒的なエネルギーを感じる。理由もわからぬまま腹の底から叫び声を上げた。これほど大声を出したのはいつぶりだろう。
瀬戸内海を眺めながら走り抜けた海岸線も良かったが、海の上で体全体で感じる瀬戸内海もまた格別だった。自然の情報を体で感じ、判断し、コントロールする。ステアリングとパドルという違いはあるが、ドライブとSUPの愉しさの本質は似ているのかもしれない。陸から海へ、車という先進的な機械から、SUPという原始的な舟へ。どちらも体感したからこそ、この海の魅力を多元的に理解できたのだろう。
広島県 瀬戸内海 上空からみた SUPの様子 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
ずっとこの時間が続いてほしいと思ったが、やがて日が傾き始める。陸に上がると二人から労いの言葉がかけられた。
「愉しかったでしょう?」
西川氏の言葉に、私は何度も頷く。
「慣れてきたら島から島へ渡るようなツアーもあるんですよ」
その冒険を想像してドキドキした。旅を愉しむというのは、きっとこういうことなのだろう。その土地だけの風景を、その土地らしい場所から眺め、体験する。その素晴らしい時間は、決して色褪せることのない財産となるのだ。それはきっと、その後のものごとの見方さえ変えてしまうのだろう。私は、いつか島を渡るツアーに参加したいと心から思った。
広島県 夕日が映る恋ヶ浜と「MAGICISLAND(マジックアイランド)」平川氏 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
広島県 恋ヶ浜 SUPの様子 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
広島県 恋ヶ浜 夕日を浴びながらするSUP | SUBARU グランドツーリングNIPPON
広島県 恋々浜から見える瀬戸内海と夕日に佇むレヴォーグ(クリスタルホワイトパール) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
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レヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
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