圧巻の自然に囲まれる森の京都。
その中で繰り返される
人の営みと信仰の歴史。

2022.09.09 | #60 Kyoto Touring /Day2:DRIVE「元伊勢三社」

京都縦貫自動車道は、文字通り京都府内を南北に貫いて走る。
碁盤の目に整備された京都市街地を離れ、北へ。この日、私は京都府中部にある元伊勢三社を目指していた。
元伊勢三社とは、福知山市にある『元伊勢内宮皇大神社』、『元伊勢外宮豊受大神社』、『天岩戸神社』という三社の総称。伝承によれば『元伊勢内宮皇大神社』は、倭(現在の奈良県)を出た天照皇大神の御神体が伊勢に移る前の一時期、この地に祀るために創建された神社だという。それは今から2000年以上前のことだ。
そんな途方もないスケールの歴史を耳にし、ぜひ直接その空気を体感してみたいと思ったのだ。目的地は京都駅からおよそ100km。1日のドライブにちょうど良い距離だ。
京都府 『元伊勢内宮皇大神社』の石段下に到着したレヴォーグ(クリスタルホワイトパール) | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

レヴォーグに乗り『元伊勢内宮皇大神社』の石段下に到着。ここから220段の石段を登り境内へ。

高速道路を30分も進むと、見える景色は森と田園風景になった。大勢の人々で賑わう市街の印象が強かった私にとって、それは見知らぬ京都だった。
ふと、高架の高速道路から斜め前方に見えた景色が気になった。見えたのは一瞬だが、緑の中にポツンと佇む里山が、まるで子供の頃に夢中になって見た昔話のアニメの風景のように見えたのだ。
私は迷うことなく次のICで高速道路を降りた。そして偶然や直感を頼りに、車を走らせる。これもまたドライブの醍醐味だ。
ICから高速道路沿いを少し戻り、記憶を頼りにハンドルを切る。あたりは森と田園。木々の緑が目に優しい。森を抜ける道は爽快で、私はこの寄り道を選んだ自分の選択を褒めたくなった。
30分ほど走り回り、ようやく高速道路から見えたあの集落を見つけた。思ったとおり、のどかな風景だ。だが近くで見ると発見もあった。どの家も、飾り瓦や建具に細工がある。庭木はきれいに刈り込まれている。どの家も、丁寧に生きているように見えた。だから山間の小さな集落でも侘しさは感じない。第一印象で「昔話のような美しさ」と思ったのは、そんなディテールがあったからなのかもしれない。
集落をあとにした私は、再び福知山を目指す。だが、高速道路には戻らず、山間の道を進むことにした。急ぐ旅ではない。ローカルな道での発見やひとつひとつの景色が、今日のドライブを彩ってくれるだろう。
京都府 集落のそばを走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

レヴォーグを走らせて高速道路から見かけた集落へ。小さな集落だが、豊かさが感じられる素晴らしい景観。

京都府 小川にかかる橋を渡るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

小川にかかる小さな橋からは、田園風景を一望。一面の田には稲穂が実っていた。

京都府 のどかな田舎道を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

レヴォーグでのどかな田舎道を走る。東屋や社など、生活と結びつきの強い建物が散見された。

橋を渡り畑を抜け、小さな社の脇を走り、小川の横を通り、やがて車は『元伊勢内宮皇大神社』に到着した。
石段を登り、鳥居を潜り、本殿にお参りをする。想像していた通り、境内は神秘的な静けさに満ちた素晴らしい場所だった。木々は深く太く、しかし清潔で清々しい。
ご神職に伺うと、『天岩戸神社』もすぐ近くにあるらしい。道が狭く車は通れないが、歩いても数分の距離。
「気持ち良い道ですよ」
そう言って私を送り出してくれた。
言われた通りに山道を歩くと、木々はさらにうっそうと茂り、秘境の雰囲気が漂いはじめた。しばし歩くと階段が見える。その先、岩壁に寄り添うように鎮座するのが『天岩戸神社』だ。
眼下には清流が流れる。神々が座したという御座石、神楽を舞ったと伝わる神楽石。それは歴史の範疇ではなく、もはや伝説だ。設置された鎖を掴んで岩肌を登り、本殿に参拝する。気持ちが引き締まるような思いがした。
京都府 『元伊勢内宮皇大神社』の鳥居と本殿 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『元伊勢内宮皇大神社』の鳥居と本殿。樹皮がついたままの生木を用いる黒木鳥居は全国的にも珍しい。

京都府 日室ヶ嶽の遥拝所 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

道中にはピラミッドのような威容を誇る日室ヶ嶽の遥拝所も。ここはひとつだけ願いが叶う一言成就の遥拝所として有名。

京都府 清流と木々の間から見える『天岩戸神社』 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

清流と木々が織りなす幽玄な雰囲気の『天岩戸神社』。気温もやや低く、気持ち良い空気が流れる。

京都府 急峻な岩の上にある『天岩戸神社』と参拝しようと岩登りをする人 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

急峻な岩を鎖を頼りに登って参拝する『天岩戸神社』。岩登りが難しい人用の遥拝所もある。

一度車に戻り、最後は4kmほど離れた『元伊勢外宮豊受大神社』に向かう。ここは農業の神様である豊受大御神を祀った神社で、こちらも創建は2000年以上昔。境内には樹齢1500年を越える杉や螺旋を描くように伸びる桧があり、荘厳な雰囲気を漂わせている。
長い長い年月、人々の信仰を集め、人々により丁寧に守られてきた神社。その時間だけがつくりだせる不思議な存在感で、『元伊勢外宮豊受大神社』は私を迎えてくれた。晴れた日曜日だったが、参拝中は誰にも会うことがなかった。この神聖な静けさが守られてほしいという思いと、これほど美しい神社がより多くの人に知られてほしいという思い。私の中で、複雑な思いが交錯した。
参拝を終え、清々しい気分のまま帰路についた。 寄り道でみつけた高潔な人々の暮らしと、長い間住民たちを守り、守られてきた神社。繰り返される人の営みの長さを知るにつけ、京都の文化の奥深さを改めて思う。
京都府 『元伊勢外宮豊受大神社』の境内 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『元伊勢外宮豊受大神社』の境内。樹皮のある生木を用いる黒木の鳥居が見える。

京都府 『元伊勢外宮豊受大神社』の境内とねじれながら上へ伸びる姿が天に登る龍を思わせる龍登の桧。| SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『元伊勢外宮豊受大神社』の境内。ねじれながら上へ伸びる姿が天に登る龍を思わせる龍登の桧。

京都府 石段の上から見たレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

レヴォーグで『元伊勢外宮豊受大神社』を訪れた。石段下に参拝者用駐車場がある。

DATA

元伊勢内宮皇大神社
TEL:0773-56-1011
URL:http://motoise-naiku.com/
元伊勢三社(福知山市公式HP)
URL:https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/65/1107.html
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