『田歌舎』へ向かう道。深い山の間を切り開いた、日本の原風景ともいえる里山が広がる。
『かやぶきの里』は50戸のうち39戸が茅葺き屋根で、多くが江戸時代から明治時代にかけて建てられた建物。
『田歌舎』の代表・藤原誉さん。大阪・枚方で生まれ、かつてはミュージシャンを目指していたという。
ひときわ目を引く八角形の建物は、昼は予約制レストラン、夜は宿泊者の食堂として利用される。
2階建ての建物もセルフビルド。藤原さんは大工の修業もして、本格的に建築を学んだ。
100種ほどの野菜を育てる畑は、可能な限りの無農薬。堆肥の集積所をつくり完全無農薬栽培への移行も目指す。
合鴨農法の稲作のための合鴨たち。収穫して役目を終えた鴨は、食肉用として利用する。
怪我をしないよう、足を開き、腰を落とすのが薪割りのコツ。
鶏の屠殺や解体体験は、子どもでも参加可能。食育の一貫として多くの家族が訪れる。
羽をむしって、足を落とす。一連の作業を見て「命をいただく」ということを強く実感できる。
解体された鶏。透明感ある身からは、美しささえ感じられる。
自ら割った薪で、捌いたばかりの鶏と採れたての野菜を焼く。シンプルだがこの上なく贅沢な食事。
羽釜で炊く米。日本人の琴線に触れるような滋味深い味わい。
テーブルの上のものは、調味料まで含めてすべて自家製。これが『田歌舎』の食事。
自然体で、自らに正直で、いつも目標に向かって動き続ける藤原さん。都会に生きる大人こそ手本にしたい。