想像通りの絶景と、想像以上の迫力。
走るごとに驚きと感動を味わう
能登半島のドライブと、ある茶屋の物語。

2022.11.18 | #68 Ishikawa Touring /Day1:Drive「奥能登絶景海道」「つばき茶屋」

日本を車で旅していると、イメージを覆されることが多い。
風情ある古都に爽快なビーチがあったり、ベッドタウンだと思っていた町に予想外の文化が育まれていたり。旅はいつも私に、日本の広さを教えてくれる。
だが能登半島の第一印象は、想像していた通りだった。
絶壁は荒々しく、波は激しく、空は灰色に曇り、魚は旨い。どれも事前に思い描いていた日本海の姿そのものだ。それでも車を走らせるごとに、新たな発見も多い。やはり日本は広い。能登半島を走りながら、そんな思いを新たにする。
能登半島の面積は東京都よりも広いという。あてもなく走り回っても、時間だけが過ぎてしまうだろう。私は深く考えることもなく、半島の突端を目的地に定めた。結果的にこの思いつきが幸運だった。
輪島市を出発して、海沿いを北上する。
左手には荒々しい日本海、右手には高くはないが木々の密度が濃い山々。そんな自然に抱かれるような道が続く。小さな漁村をいくつも通り過ぎる。波が削り取った奇岩が点在し、海岸線は変化に富む、どれだけ走っても見飽きることがない道だ。
この美しい道は「奥能登絶景海道」と名付けられているという。絶景街道というストレートな名だが、走ってみるとたしかに、これ以外の名は無いように思える。海に向かう斜面を棚田が埋め尽くす千枚田や、怪獣の形に見える岩を横目に車を走らせる。いつしか曇天だった空に、晴れ間がのぞいていた。私は絶景を堪能しながら、さらに北を目指す。
石川県 奥能登絶景海道を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

海に向かう斜面の千枚田。古くから自然と向き合い共生してきたこの地の人々の姿が浮かぶ。

石川県 上空から見た奥能登絶景海道を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

山と海、光と影。険しい地形だからこそ、その境界線がくっきりと浮かび上がるのも能登の美しさ。

石川県 日本海を覆う雲間から晴れ間が覗く | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

雲間から晴れ間が覗く。降水時間日本一といわれる石川県では珍しい。

輪島市を出て、1時間ほど。ナビで見る現在地が能登半島の先端に近くなってきた頃、ふと道路脇に茶屋の看板をみつけた。人工物がほぼないエリアに急に現れた茶屋だ。ハンドルを切って駐車場に車を停めた。看板には『つばき茶屋』とあった。駐車場から道路を挟んで反対側、高台のかわいらしい建物が店だろう。
店内に入る。大きな窓から海を望む開放的な空間だ。私は海が見える席に座る。卓上の籠にはペンキで文字が描かれた石。これがこの店のメニュー。茶屋とあるが、魚介を中心とした定食が豊富だ。「イカさま定食」や「でまかせ定食」とユニークな名が並ぶ。私はなんだか愉しくなってきた。
石川県 つばき茶屋 の動画 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ
「イカさま定食」を注文して、海を見ながらしばし待つ。やがて御膳に料理が満載された豪快な定食が運ばれてきた。甘辛いタレをあわせた焼きイカは、火が通っているのにも関わらず柔らかく、新鮮な味がした。たくさんの小鉢も、どれも丁寧に作られていることがわかる。果ての地で、これほど上質な魚介が味わえるのは、さすがは能登半島だ。
「このあたりの魚介ですか?」
食事を終えて、先程の女性に尋ねてみた。
「もちろん。父が近所で漁師をやっているから、鮮度は最高ですよ」
そんな誇らしげな応えが返ってきた。彼女は番匠さとみさん。私はもう少し、彼女の話が聞きたくなった。そして伺ったこの店の物語。
今から20年ほど前。
元はスナックだったというこの店は、空き家になってしばらく経っていた。「自分が育った町が寂れていくのは悲しい」と茶屋を開いたのは、さとみさんの母、さつきさんと何人かの仲間たち。さつきさんは自身も海女として海に潜る漁師だ。せっかくだから、新鮮な魚を出して、魚のおいしさを知ってもらおう。そうして『つばき茶屋』は、絶景を眺めながら旨い魚が食べられる店として少しずつ知られていく。
夜明け前に起きて支度をして、朝に海に潜り、戻ってきて店を開く。母さつきさんは、そんな生活を20年も続けている。それを見て育った娘さとみさんは、どう思ったかといえば
「うらやましい!の一言です。私も早く海に入りたかったけど、コロナでなかなか実現せず。でも今年からやっと潜れるようになったんです」
そう快活に笑うさとみさん。 そうは言っても相手は能登の冷たい海だ。きっとたいへんなことだって多いだろう。
「上からしか知らなかった海。潜ってみたら、もっと好きになった」
そんな言葉で、私の気持ちもなんだか明るくなった。話していると店の奥からご本人登場とばかりに、噂のさつきさんもやってきた。
「おいしかったやろ?」
そんな陽気な声に、場がますます明るくなった。言葉から、この地、この海を心から愛していることが伝わってくる。なんて素敵な母娘だろうか。
石川県 つばき茶屋の向かいに停まるレヴォーグ(セラミックホワイト) | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『つばき茶屋』があるのは能登半島の先端近く。その名の通り、近くには「徳保の千本椿」がある。

石川県 つばき茶屋の縁側と、縁側から見える日本海 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『つばき茶屋』からの眺め。遠くには店主母娘の住む漁村が見える

石川県 石に文字が書かれたつばき茶屋のメニュー | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『つばき茶屋』のメニューは文字が描かれた石。

石川県 つばき茶屋のイカさま定食 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『つばき茶屋』の「イカさま定食」。焼イカは船上で即座に凍結させる船凍イカが使用されている。

石川県 つばき茶屋のオーナー 番匠さとみさんと、さとみさんの母 番匠さつきさん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

さつきさん、さとみさん母娘。明るく元気なふたりの海女が、この店の活力源

ふたりに見送られて店を後にした。能登半島の先端まで、もう少しだ。
しばし車を走らせると、禄剛崎の看板があった。ここが能登半島の最先端だ。
車を停めて10分ほど歩くと、白い灯台があった。横から雄大な海を眺めると、地球が丸いことが実感として理解できた。
石川県 能登半島堂ガ崎付近を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

能登半島堂ガ崎付近をレヴォーグで走る。

石川県 上空から見た能登半島最先端の禄剛崎灯台 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

能登半島最先端の禄剛崎灯台。付近には『道の駅 狼煙』がある。

私の絶景街道ドライブは、こうしてゴールに到着した。
もちろん半島の先端まで来たのだから、帰り道がある。私はその帰り道が、愉しみで仕方がない。先程よりも高く登った太陽で、海の色は変わっているだろう。同じ道を違う方向から進むことで、また新たな発見があるだろう。時間とともに姿を変え、走る度に発見がある。それこそが、ドライブの愉しさだと私は再認識する。
石川県 レヴォーグの車内から見える日本海 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

帰路、レヴォーグの車中から望む日本海。

石川県 日本海のそばに停まるレヴォーグ(セラミックホワイト) | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

奥能登絶景海道の帰り道。晩秋の道端にはコスモスが揺れていた。

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