人と会い、土地を知り、想いを伝えるために。
能登を駆け回り、食材を探す
料理人・池端隼也のライフワーク。

レヴォーグで旅する石川県の旅

2022.12.23 | #75 Ishikawa Touring /Day8:SPECIAL「宇出津港」「上田農園」「ラトリエ・ドゥ・ノト」

まだ夜も明けきらぬ早朝。
『ラトリエ・ドゥ・ノト』の池端隼也さんがやってきました。いつも通りの陽気な調子、にこやかな笑顔。早朝からの仕入れは、池端さんにとって日常のことなのです。いつもの仕入れの相棒は軽バン。しかし今日はレヴォーグに乗って、能登半島東側の宇出津港を目指します。
「僕の料理は能登の食材ありき。自分の目で食材を見て、生産者と話をするために、毎日走り回っています」
能登を知ってもらい、能登を好きになってもらうことが、『ラトリエ・ドゥ・ノト』の使命。そのためにはまず池端さん自身が能登を深く知る必要があります。だから池端さんは、日々能登中を駆け回っているのです。行動範囲は輪島市にある『ラトリエ・ドゥ・ノト』から半径50kmほど。年間の走行距離は3万kmにも及ぶといいます。
― この記事はSpecial記事の後編となります。ぜひ前編からご覧ください。
前編はこちらから
石川県 夜明けの道を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

夜明けの道を走り港へ。寒ブリの時期になると、さらに朝は早くなるという。

「なんだか愉しい車ですね」
地元を愛する料理人が、能登を巡る旅。

「仕入れだから積載量はマスト。山に行くのでパワーも欲しいし、雪が積もるので信頼性も大切。それから海沿いは横風が強いので重心が低く安定している車が良いですね」
宇出津港への道を走りながら、ひとつずつ車に求める条件を挙げる池端さん。
「そう考えると、このレヴォーグはぴったりですね。なんかわざとらしいくらい(笑)」
そう冗談めかして笑いながら、走りを確かめるように軽快に山道を進みます。そしてこう付け加えました。
「僕は食材を見てから料理を考えます。だから仕入れをしてから店に戻るまでの移動時間は、アイデアを練るための本当に大切な時間。この包み込むようなシートや車内の静音性も、大きな魅力です」
石川県 宇出津港の街を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

レヴォーグで宇出津港の街を走る。漁業関係者で朝から活気に満ちていた。

石川県 対岸の駐車場から街を眺める「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

対岸の駐車場から街を眺める池端さん。運転席からの視野の広さも池端さんを驚かせた。

話している間に、車は宇出津港に到着しました。『ラトリエ・ドゥ・ノト』の近くには輪島港もあり、そちらでは競りの権利も持っているという池端さん。しかし揚がる港で魚種や個性も大きく異なるため、35km離れたこの宇出津港にも度々足を運ぶのです。
「僕の料理は、魚が網に入った瞬間から始まっています。漁師さんと仲良くなり、想いを伝え、締め方、運び方も工夫してもらう。そうすると漁師さんも魚を高く売ることができますよね。これまでたくさん獲ることが正義でしたが、質を上げて高く売ることができれば、漁業の未来にも繋がります。そうやって能登全体の食を盛り上げていきたい。」
池端さんはそんな想いを聞かせてくれました。
この日の目当ては甘鯛。狙いの魚を見定め、馴染みの魚屋さんと打ち合わせをし、やがて競りがはじまります。
「競りは戦い。駆け引きのために、わざと違う魚をチェックする振りをしたりもするんです」
熱気にあふれた競りの末、池端さんは目当ての魚を手に入れました。
石川県 宇出津港で魚を見る「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

真剣に魚を選ぶ池端さん。この素材からインスピレーションを得て料理が生まれる。

石川県 宇出津港で魚を見る人々 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

宇出津港での競りの風景。圧倒されるような熱気に包まれる。

石川県 仕入れた魚をカーゴルームに入れようとする「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

鍵を持って後部のエンブレムに肘などをかざすだけで開くハンズフリーオープンパワーリヤゲート(一部グレードのみ)も大活躍。

走り慣れた道、見知った人、使い慣れた食材。
それでも「年に何度も“あっ”という発見がある」と池端さんはいいます。
「たとえばブリの運び方。氷を詰めて冷やして運ぶイメージだと思いますが、僕は縦に詰めて、常温で運びます。それも車内の暖房をガンガンに効かせながら。それが結果的においしくなると気づいたんです」
常識を疑い、論理的な仮説をたて、納得するまで試行錯誤する。池端さんの料理のおいしさの理由が、少し垣間見えた気がします。
石川県 「宇出津港」「上田農園」「ラトリエ・ドゥ・ノト」の動画 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ
魚を置くために一度、店に戻り、今度は山へと出かけます。
向かうのは『上田農園』。池端さんが「彼は天才農業家です」と信頼を寄せる上田拓郎さんが営む農園です。
野菜は完熟前に収穫し、輸送中に追熟を行い、店頭に並ぶときに完熟の状態にするのが一般的。しかし上田さんは畑でギリギリまで完熟させる完熟収穫という技法を取り入れています。それも収穫するのは、輸送しやすい朝ではなく夕方。
「野菜は昼に日光を浴びて力を蓄えて、夜にエネルギーを消化します。だから十分に力を溜め込んだ夕方に収穫するほうが良い」
さらりと話す上田さんですが、消費期限の短さや輸送の問題など、簡単な話ではありません。だから池端さんのように想いを受け止め、その価値を理解する人が相手。それでも能登でも徐々に、『上田農園』の野菜を使うレストランは増えてきているといいます。
「野菜でいえば上田さんのところが最強。これこそが都会のレストランとの一番の違いです。さっきの魚の話と同じように、畑からもう料理ははじまっているんです」
池端さんは目を輝かせてそう話しました。
石川県 『上田農園』の側を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『上田農園』の風景。美しく整備された畑の様子からも、上田さんの野菜にかける想いが伝わる。

石川県 野菜について話し合う「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さんと『上田農園』の上田拓郎さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

野菜について話し合う池端さんと上田拓郎さん。要望を伝えることができるのも、信頼関係があればこそ。

これで終わりと思いきや、池端さんの仕入れはまだ続きます。続いて訪れたのは小さな農園。池端さんは軽く挨拶を交わすと、自ら畑にずんずんと入り野菜を収穫しはじめました。
「ここの“シゲちゃん”は僕の親戚。根菜が得意なので頼りにしているんです」
と池端さん。
実は池端さんの母方は農家で、いまでも親戚が農業を営んでいるそう。一方、父方は漁業の家系。輪島港の競りの権利を持つのは、この血筋による恩恵。両家を受け継ぎながら料理人をする池端さんの想いがまた少し見えてきます。
生まれてから高校3年まで能登で暮らした池端さんは、当時、外に出ることばかり考えていたといいます。やがて大阪に行って料理人となり、フランスで5年過ごし、久しぶりに能登に帰ってきた池端さん。そのときにはじめて「この町すごいやん!」と気づいたのだといいます。
野菜をたくさん積み込んだ帰り道。池端さんはそんな物語を効かせてくれました。
「能登にレストランを開いたのは、能登に来てもらうため。そしてこの能登を好きなってもらい、いろいろ見て回ってもらいたい」
かつて自分がそうだったように、外から見てはじめて気づく魅力もある。そんな能登の魅力を伝えるために、池端さんは今日も走り回っています。
石川県 野菜を収穫する「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

手慣れた様子で根菜を自ら収穫。少しずつ料理のイメージができあがる。

石川県 カーゴルームに収納してある収穫した野菜 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

レヴォーグの大容量カーゴルームには、たっぷり仕入れた野菜もラクラク積み込めた。

もちろん店に戻って終わりではありません。ここから仕込みが始まります。
繊細な火入れ、丁寧な包丁さばき、細やかな味付け。のびのびとドライブしていた先ほどとは違い、その表情は真剣そのもの。やはり料理人は厨房に立つと雰囲気が変わるものなのでしょう。と思っていると、やはりここでも冗談をとばし、周囲を笑わせる池端さん。
もしかすると人を笑わせることと、おいしい料理をつくることの根底は同じなのかもしれません。料理人の才能とは、どれだけ人を想い、人を喜ばせようと願えるか。早朝から駆け回り、生産者と笑い合う池端さんの姿を見ていると、そう思わずにはいられません。
半日の間に100km以上レヴォーグを運転した池端さんは、ハンドルを握りながら何度か呟きました。
「愉しい車だなぁ」
人を想い、地域を想う能登の料理人・池端隼也。その気持ちにレヴォーグが重なったのかもしれません。
石川県 『ラトリエ・ドゥ・ノト』内観 | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

『ラトリエ・ドゥ・ノト』の店内。落ち着いた雰囲気のなかにも、能登らしさが漂う。

石川県 キッチンで盛り付けをする「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

「かつては創作していたけど、良い生産者と出会い、いまはシンプルに素材を伝える料理に変わってきました」と池端さん。

石川県 「ラトリエ・ドゥ・ノト」で供される甘鯛を使ったウロコ焼き | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

朝仕入れたばかりの甘鯛を使ったウロコ焼き。色とりどりの野菜も、すべてこの日仕入れたもの。

PROFILE
石川県 「ラトリエ・ドゥ・ノト」オーナーシェフ 池端隼也さん | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

池端隼也

1979年石川県能登町生まれ。野球一筋だった学生時代から料理人を志し、辻調理師専門学校へ。卒業後、大阪の名店で修業を積み2006年に渡仏。星付きレストランなどで6年にわたり腕を磨く。帰国後は大阪に出店を予定していたものの、生まれ故郷の能登を訪れた際に改めてその魅力に気づき、2014年、輪島市に『ラトリエ・ドゥ・ノト』をオープン。能登の食材や風土の魅力を発信すべく尽力し続けている。

試乗したLEVORG

STI Sport R EX

アイサイトX搭載。
2.4L直噴ターボエンジンを搭載し、走りの性能をさらに高めたハイパフォーマンスモデル。

石川県 レヴォーグ(セラミックホワイト) | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

SPEC

カラー
  • セラミックホワイト
搭載機能
  • アイサイトX搭載
  • 電子制御ダンパー装備
  • 2.4L DOHC 直噴ターボエンジン装備
  • 18インチアルミホイール

WEBで簡単、
見積シミュレーション

石川県 レヴォーグ(セラミックホワイト) | SUBARU グランドツーリングNIPPON | SUBARU | レヴォーグ

DATA

ラトリエ・ドゥ・ノト
住所:石川県輪島市河井町4-142
電話:0768-23-4488
URL:https://atelier-noto.com/
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