自然の懐を走り、自然を間近に感じ、
自分自身と深く向き合う。
車を通して大地と繋がる、ある日のグランドツーリング。

レヴォーグで旅する神奈川県の旅

2022.01.26 | #9 Grand Touring /Story1:DRIVE「宮ヶ瀬湖・ヤビツ峠・山中湖」

考えてみるとドライブというのは不思議な体験だ。
極端に言えばそれは、車という機械を操作しているに過ぎない。しかしその経験は、ときに心震える感動をもたらし、ときに多くの気づきを私に与えてくれる。それは自らの足で歩くことと変わらぬ、能動的な体験だ。
神奈川県 葉山の海岸にて朝焼けに佇むレヴォーグ(クリスタルホワイトパール) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
明け方、ふと目が覚めた。
夜明け前の青い光が窓を染めている。まだ町が動き出す時間には早い。しかし私は再び布団に潜り込む代わりに、車のキーを手に取った。支度を済ませ、運転席に乗り込む。目的地に向かう時間にはだいぶ早い。だが単なる移動ではなく、ドライブそのものを楽しむならば、時間は私の味方になる。何がそうさせたのかわからない。あるいはそれは“誰にも知られぬ自分だけの時間”を欲するような、子供じみた動機だったのかもしれない。とにかく私は目的もなく、車を走らせた。 
神奈川県 レヴォーグの車窓越しに望む葉山の海岸からの富士山 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
高速道路を西に進む。インターチェンジを過ぎる度に、少しずつ車が減っていく。それは人生の岐路において、ともに歩いた友人と分かれていくような瞬間だ。だが今日の私に目的地はないが、進みたい道はある。都市を離れ、自然の中に進むこと。それだけが、自分でも説明ができぬ今朝の私のドライブに、理由をつけてくれる気がしていた。
ハンドルを左に切り、相模原インターチェンジで高速道路を降りた。ほどなく道は曲がりくねった山道になった。山肌の木々は葉を落とし、乾いた幹をさらしている。地に落ちた葉は夜露を含み、どこか物悲しい塊となって道路脇に積まれている。別に珍しくもない、冬の光景だ。
神奈川県 ヤビツ峠を走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
だが私は、地に落ちた葉に意識を向けた自分自身に少し驚いていた。運転をしているのだから、路面の様子に注意を払うのは当然だろう。だが、都会を走っていた私は、地に落ちた葉を“生命の名残”と捉えていただろうか。ただの路傍のゴミだと思っていなかっただろうか。
神奈川県 道志川沿いを走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
冬の山には生命力があった。葉を落とした木々はただ眠っているのではなく、次なる春に向けてぐっと力を貯めているように見える。土の下の霜は時折、朝日を反射してキラキラと輝いた。茶色がかった山の中で針葉樹の緑はいっそう目を引いた。朝の冷たい空気が、張り詰めた弦楽器のように遠くの小鳥のさえずりを運んだ。内部に踏み入れたからこそわかる力強い生命力。だからこそ、その対比として、地に落ちて朽ちた葉が目に止まったのだろう。
神奈川県 針葉樹とレヴォーグ(クリスタルホワイトパール) | SUBARU グランドツーリングNIPPON
車は山間の宮ヶ瀬湖をまたぐ橋に差し掛かった。少し窓を開けてみる。湖に匂いがあることを、私は久しぶりに思い出した。清涼で透明で心地よい水の匂い。体の中が洗われるような、爽快な気分だった。
神奈川県 レヴォーグから宮ヶ瀬湖を一望する | SUBARU グランドツーリングNIPPON
湖を通り過ぎ、再び山道に向かう。曲がりくねったヤビツ峠が生き生きと輝いて見えるのは、さきほどよりも日が高くなったからか、それとも湖の水の気配に心が洗われたからか。急カーブの先に時折、遠い街並みが見える。街と山。地続きで繋がっているはずの両者が、別世界のように思える。自然の懐に抱かれて遠くに街を眺めていることが、不思議な高揚感を湧き起こす。
峠道のカーブから、遠く富⼠⼭が⾒えた。時間はまだ⼗分にある。今度はあの富⼠⼭の麓まで⾛り、その威容を間近で眺めてみよう。⾛り抜けるごとに体に流れ込んでくるような⼭のエネルギー、クリアになる思考。あの名峰のもとを⾛れば、さらに⼼躍る体験が待っていることだろう。どこかを訪れる度に、新たな発⾒がある。⽬に⾒えるものに限らず、⾃分の⼼の中に眠っていた、⾃分でも気づかなかった衝動も含めて。
山梨県 レヴォーグの車内で山梨県側からの富士山を眺める | SUBARU グランドツーリングNIPPON
タイヤが路⾯の凹凸を捉える。⼤地との繋がりを実感する。⽔の匂いをかぎ、空気を肌で感じ、いつしか⾃分と⾃然との境界が曖昧になる。先端技術の粋を集めた⾞に乗っていてもなお、⾃分が⾃然の⼀部だという思いが強くなる。それほどに⾃然のエネルギーが濃い。繋がり、溶け合い、⾃然の⼀部になること。そこから⾒えてくるもの、それこそがグランドツーリングなのだろうと思った。
私は帰り道の途上ですでに、次なるグランドツーリングの旅に向けて胸を躍らせる。
山梨県 富士山とマリモ通りを走るレヴォーグ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
※冬期は宮ヶ瀬湖〜ヤビツ峠の山道は一部通行止めとなっています
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