走る愉しさを表現したVIZIVに、STIのノウハウを注ぎ込んだ

これを実現するための活動は、今後さらに拡大していきますのでご期待ください。一例を挙げれば、レヴォーグとBRZに設定した、走りの質感を高めた最上級グレードSTI Sportです。限定生産で一部のお客様にしかお届けできていなかったSTIコンプリートカーのSシリーズとは異なり、カタログモデルとして幅広いお客様にSUBARUとSTIによって高められた『走る愉しさ』を感じていただけるクルマに仕上げました。STI Sportグレードは他の車種への拡大も計画しています。ぜひご期待ください」

Sシリーズのようなコンプリートカーのほか、レヴォーグやBRZのSTI Sportなど、走りの愉しさを追求したSTIブランドのクルマは魅力的だ。だが、その多くは日本だけで販売され、海外には出していなかった。これについて森は、「今までSTIのスポーツモデルは日本中心でした。コアなファンのクルマとして日本では認められていますが、海外は弱かった。例えば、SUBARUが大きく販売台数を伸ばしているアメリカでさえ、STIと言えば、WRXのグレード名称にすぎず、STIがSUBARU車の性能や価値を高める独自のノウハウと技術を持つ会社であるというイメージも浸透していませんでした。

これではいけないと、2016年にオーストラリアでフォレスターのコンプリートカーを発売しました。そして今回、ついにアメリカでSTIシリーズの第一弾としてWRX STIタイプRAを発売したのです。また、BRZ tS(日本ではSTI Sport)も送り込みました。これからは海外でもSTIの知名度を高めていきたいです」と、力強く語っている。

“VIZIV”が指し示す未来

SUBARUとSTIが目指しているのは、世界中で、送り出した1台1台にファンが深い愛情を持って接してもらえるクルマづくりだ。作り手と使い手が共有できる誇りを持てるSTIならではのスポーツモデル、それをユーザーとファンは期待している。これからも、SUBARUを選んだ世界中の人々が誇りに思えるような、魅力的なスポーツモデルを積極的に開発し、送り出す。

絆を深めたSUBARU×STIが、お客様に提供する価値として掲げる「走りの愉しさ」。東京オートサロン2018のSUBARU/STIブースでは、展示車を通してこの価値を表現するとともに、STIの将来像や世界観についても語っていく。

SUBARU/STIブースの主役は、『SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT(ヴィジヴ パフォーマンス エスティーアイ コンセプト)』だ。ベースとなっているのは、東京モーターショー2017でワールドプレミアとなった『SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT』。SUBARUが提唱する、安心で愉しいクルマづくりの将来ビジョンを具現化したスポーツセダンのコンセプトカーで、SUBARUならではの、いつでもどこでも安心してドライビングが愉しめる世界観を提示した。

これに、STIブランドにふさわしいエクステリアのデザインを採用。ファンにとって、さらに魅力的なコンセプトカーに仕立てている。

この『SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT』のデザインをまとめた、SUBARUの商品企画本部デザイン部主幹、河内敦は次のように語っている。

「STIが送り出すクルマは、エンジンやサスペンションだけでなく、エクステリアやインテリアにも こだわっています。実は、内外装や装備(パーツ)のデザインはSTIと共同し、 SUBARUのデザイン部が担当しています。私のSTIとの関わりは、 2代目インプレッサWRX STIが始まりでした。その後、レガシィ、フォレスター、レース車両、 コンセプトカーなど、様々な車種に関わってきました。

thumb

1998年に限定400台で販売したコンプリートカー 「IMPREZA 22B-STI VERSION」。
WRC(世界ラリー選手権)のマニュファクチャラーズ 選手権3連覇を記念して、WRカーと同様のスタイルで 登場した。

thumb

ドイツで開催される世界最大級のツーリングカーレース、 ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するSTI。
2011年には、エントリーするSP3Tクラス (排気量2ℓ以下のターボ車クラス)で念願の初優勝を果たす。

thumb

SUBARUとSTIが共同開発したコンプリートカー 「S208」。東京モーターショー2017で発表され、 限定450台が抽選のうえ、販売された。
写真はボディカラーに専用色を採用した「 NBR CHALLENGE PACKAGE」。

SUBARUが開発する量産車は、より多くのお客様にお乗りいただくために、性能やデザインにおいて制約を受けることがあります。その制約を超えて、走る『愉しさ』に対して高い期待をお持ちのお客様に応えるのが私の仕事です。

その最たるモデルがS208等のコンプリートカーです。車両やパーツのデザインでこだわっている点は、単に見た目を良くすることを目的とはせず、走る『愉しさ』につなげることです。デザインのすべてに、空力性能などの機能の裏付けを持たせることで、走行性能の向上につなげています。また、常に合理性を追求し、無駄をそぎ落とし、最適なデザインを追求している点も特徴です。これらを実現するために、独自のノウハウや技術を有するSTIとの連携は欠かせません。

さらに、デザインで目指していることのひとつに、お客様に特別感を提供することが挙げられます。特別感は、お客様の所有する喜びにつながります。例えば素材です。外装ではカーボンや金属メッシュを使い、内装では特に肌に触れる部分の質感にはこだわり、特別なクルマにふさわしい素材を採用するようにしています。さらにご紹介したいのが、S208では室内に加え、エンジン房内のソレノイドカバーにもアルミ製のシリアルナンバーをつけていることです。

SUBARUやSTIを心底愛して下さっているお客様に、どうしたらもっと喜んでいただけるか。大変なことも多いですが、やりがいのある仕事です」

河内のデザインへのこだわりは、『SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT』にも色濃く反映されている。 「『SUBARU VIZIV PERFORMANCE STI CONCEPT』のベースは、SUBARUのデザインフィロソフィーである“DYNAMIC & SOLID”に基づいたパフォーマンスセダンのコンセプトカー『SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT』です。このベースモデルに、STIモデルにふさわしいこだわりを詰め込みました。走る『愉しさ』をさらに高めること、そして特別感でお客様に所有する喜びを感じてもらうことです。具体的には、専用のフロントバンパーやサイドシルスポイラー、リヤトランクスポイラーにより、空気抵抗をコントロールすることで、最高速と高速走行時の走行安定性の向上を図っています。

フロントバンパーのダクトの位置にもこだわりました。両サイドのインテークは塞ぎ空力を改善し、空気の圧力が最も得られやすい正面にインテークを設け、空力性能に加え、冷却性能も向上させています。

STIでは、よく『走りを極めると安全になる』と言います。走りを極めるとは、これまでSTIが様々な世界記録に挑戦してきたことからも分かるように、世界一愉しく気持ちがいい走りを実現することです。SUBARU×STIの、これからも変わらない、世界一の走りへの情熱と、夢への『挑戦』をデザインで表現しました」と河内主幹は説明する。