EJ20スペシャルコンテンツ 開発者インタビュー

「WRXを愛するSUBARUユーザー」が大集結!

SUBARU WRX STI 「WRXファンミーティング2019」

2019年11月9日(土)、愛知県新城市にて初の『WRXファンミーティング』が開催されました。
WRXを愛する方同士、あるいはSUBARU/STIの技術陣と自由に対話し、2019年12月に受注生産終了を迎えるWRX STIとEJ20エンジンの歴史や未来に想いを馳せる機会をつくりたい、というSUBARUの思いからこの企画はスタートしました。開催期間まで時間のないなかでの応募スタートとなりましたが、すぐに募集予定台数を超える応募をいただき、泣く泣く抽選にてのご招待とさせていただきました。
当日、駐車場はあらゆる世代のインプレッサWRX、WRX STI、WRX S4などで埋め尽くされることに。その数、なんと1,000台!またその他SUBARU車100台の合計1,100台が集結しました。
色別に駐車場所を分けるという取り組みもWRXオーナーの皆様のご協力で成り立ち、皆様の熱量を感じる始まりとなりました。
メイン会場の芝生広場には多くの出展ブースや飲食ブースが立ち並び、SUBARU/STIのモータースポーツヒストリーを紡いできた5台のWRXと、東京モーターショー会場から移動してきたWRX STI EJ20 Final Editionが展示。
オープニングに先駆けてエンジニアを囲んでのミニトークショーやエンジンルームの公開などが行われ、早くも熱気が高まります。
一方の駐車場では参加者同士、愛車を囲んでのWRX談義、EJ20談義に花が咲きます。
すべてのWRXが駐車場に入った12時50分、インプレッサWRCar ‘98とWRX STI NBRチャレンジ2019のエンジン始動を合図にいよいよイベントがスタート!
ステージではWRXやEJ20の開発に携わったSUBARU/STIのエンジニアによるトークショーが行われ、富士重工業(当時)でエンジン設計に携わった平岡泰雄STI社長の口からは、「EJ20エンジンは初代レガシィに合わせて開発されましたが、将来何十年も残るエンジンを作ろうという気概でみんな頑張ったわけです。経営的には直列4気筒などの方が良いのではないか、という議論も確かにありました。しかし “ルーツにあった水平対向を大事に守っていこう”という決断がなされたという経緯があります」と、現在にまでつながるEJ20の原点とも言えるエピソードが飛び出すなど、ほかではなかなか聞くことのできない開発秘話に多くの方が聞き入っていました。
続いて、2003年にSUBARUインプレッサWRCでFIA世界ラリー選手権(WRC)ドライバーズチャンピオンを獲得したペター・ソルベルグさんが登場! SUBARUを愛し、2000年からSUBARUワールドラリーチーム(SWRT)に在籍したレジェンドの登場に、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、多くのSUBARUフラッグがはためきます。
2004年に初めて日本で開催されたWRCラリージャパンでは、インプレッサWRC2004を駆り圧倒的なスピードで優勝。
2008年を最後にSUBARUがWRC活動を休止するまで、不動のエースであり続けました。
久々の来日となるソルベルグさんは以前と変わらぬ明るい笑顔でファンを魅了。現役当時のことを知っている方はもちろん、この日初めて彼のことを知ったという方も、彼のSUBARUとWRXに対する深い愛情を感じとることができたのではないでしょうか。
さらに2002~2003年の2年間SWRTに在籍したトミ・マキネンさんもサプライズゲストとして加わり、当時の逸話を披露。
トークショーの最後にはSTIの平岡泰雄社長から、今季限りでモータースポーツの最前線を退くソルベルグさんに花束が贈呈され、会場のWRXファン約2,000人と一緒に記念撮影が行われました。
そしてお待ちかねのスペシャルランへ。まずはSTI技術顧問を務める辰己英治NBR総監督がVAB型WRX STIのステアリングを握り、コースチェックに出発。コースを回り、安全を確認したあとはいよいよソルベルグさんの登場です。
車両は全日本ラリー選手権で使用された左ハンドルのGRB型WRX STI。初めてこのクルマに乗るソルベルグさんでしたが、あっと言う間に自分の手足のように操り、華麗なステアリングさばきでドーナツターンを決めてみせます。ソルベルグさんのドライビングテクニックと、それに応えるWRXの運動性能の高さをあらためて目の当たりにし、会場からはしばらく拍手が鳴り止みませんでした。
イベントの最後を締めくくるのは、SUBARUの技術陣によるクロージングトーク。WRXとSUBARUの未来についての想いを、市販車を開発するキーパーソンが語ります。
今後SUBARUのDNAは、どのように受け継がれていくのか──WRXやEJ20の開発で培ってきた様々なノウハウを礎として、さらに良いクルマを作り上げるという固い決意を、集まった皆様に聞いていただきました。
WRXを愛する方々のために企画されたファンミーティングはこうして閉幕。帰途につく参加者の方々は全員笑顔で、1台1台に手を振ってお見送りをするSUBARU/STIスタッフにとっても、WRXを誇りに思っていただけている、ということを強く実感する1日となりました。
1989年、SUBARUが世に問うたスポーツユニットEJ20は、30年の進化を経て様々なクルマに搭載され、2019年度の受注生産分をもって、その歴史に幕を下ろします。
それでも、WRXとEJ20を愛する方々がいる限り、その魅力が色褪せることはないでしょう。
ご参加いただきました皆様、あらためてありがとうございました。