SUMMER DRIVE SPECIAL
3つのグレードで駆け抜ける
FORESTERサマードライブ2025
ドライブ | 2025/08

2025年4月の発表以来、新型フォレスターで駆け巡る、初めての夏がやってきた!Premium、X-BREAK、SPORT。それぞれのグレードの走りと世界観を三車三様に堪能するべくクルマ好きジャーナリストが乗り込んだ。さあ、フォレスターと夏のドライブを思いきり愉しもう。




黒木美珠がターボ車のSPORTで花の咲く丘を目指す海岸線ドライブ
(神奈川県横浜市〜三浦市)
ターボ車の性能を存分に満喫できる高速道路を走り、三浦半島の海岸線を半周して、四季の花が咲く丘へ向かう夏の旅。

高速道路でターボの完成度を体感
まだ静けさの残る横浜の街並みを背に、三浦半島にあるヒマワリが咲き誇る丘を目指す旅へ出発した。私にとって夜のイルミネーションの印象が強かったが、朝の澄んだ空気に包まれたこの街はまた、どこか新鮮で美しい。今回の相棒は、新型フォレスターの3つのグレードの中で、唯一のガソリンターボモデルSPORT EX(以下、SPORT)だ。

話題のストロングハイブリッド搭載モデルが登場したが、ターボモデルならではの存在感も見逃せなかった。搭載される1.8L直噴ターボエンジンは、先代でも高く評価されたユニット。筆者自身、先代フォレスターSTI Sportを愛車にしてきたので、この力強く、滑らかな加速フィールのファンだ。特に高速域での伸びは心地よく、つい運転支援に頼らず、自分のペースで走りたくなるほどだ。
並木ICから横浜横須賀道路に入ると、朝の光のなかをフォレスターは軽やかに走り出した。高速道路の合流でも加速はスムーズで、60km/hから80km/hへと一気に伸びていく場面でもストレスを感じさせない。ターボらしい力強さを備えながら車内は驚くほど静かで、何も知らずに乗っていたらハイブリッド車と勘違いしてしまうほどの静粛性だ。改めて、このパワートレインの完成度の高さに感心させられた。



南国のような情緒を感じる
三浦での“ 夏時間”
横浜横須賀道路を抜け、海沿いの国道16号へ。馬堀海岸は道沿いにヤシの木が並び、どこか南国のような雰囲気を感じさせる。旅に出たという気分を、一気に高めてくれる場所だ。ふと見上げると、大型のサンルーフ越しに、青空とヤシの木が視界に入る。空調の効いた快適な車内にいながら、視覚で“夏のドライブ”を満喫できるのがうれしい。

さらに、ガラスの片隅には小さな鳥のモチーフが。なんとも愛らしい遊び心に、思わず頬が緩んだ。海沿いの道を走るだけで、自然と気持ちがほぐれていく。特別な目的地がなくても、潮の香りや陽の光、移り変わる景色そのものが、旅の楽しさを運んできてくれる。

ここから目的地の「ソレイユの丘」へ。ナビの案内に従って海岸線から少し内陸へ進むと、視界いっぱいに広がる畑やビニールハウスが現れ、のどかな農道のような道が続く。その先、パッと視界が開ける場所に「ソレイユの丘」が突如、姿を現した。入り口付近にはカラフルな花壇やレンガ調の建物が並び、どこか海外の農園を訪れたような雰囲気だ。広々とした園内には季節の花が咲くガーデンエリアがあり、その中の遊歩道をゆっくり歩きながら、花々と風景を撮影した。


こうして立ち止まる時間も、ドライブ旅には欠かせない。花を愛で、空を仰ぎ、深呼吸する。そのひとときにこそ、旅の本質があるように思う。そして、その時間を心地よく支えてくれるのが、フォレスターの広くて静かな車内空間だ。長距離移動でも疲れにくいシート設計や、荷物をしっかり積めるラゲッジスペースなど、移動そのものが快適な体験へと変わっていく。


海辺にクルマを停めて
一日のドライブを振り返る
「ソレイユの丘」を後にし、再び海岸線へ。クネクネとした地形に沿って続く道を、潮風を受けながらゆったりと走る。旅の終わりは夕陽と決めていた私は、三浦半島の西側にある長者ヶ崎海岸へとハンドルを向けた。葉山町と横須賀市の境に位置するこの海岸は、天気が良ければ江の島や富士山を望める風光明媚な場所だ。駐車場からすぐに海が見渡せるため、クルマを降りた瞬間から開放感に包まれるのが魅力。岬の葉山側には砂浜が広がり、海水浴場としても賑わいを見せる。

この日は日没よりも少し早く到着。海を眺めていると、空にはうっすらと靄がかかっていたが、時間とともにそのベールが少しずつ晴れていくのがわかった。空の色は徐々に変わりはじめ、グラデーションを描くように淡く、そして深くなっていく。刻一刻と移ろう空の下で、私は今日という一日を静かに振り返っていた。
今回の旅でハンドルを握ったのは、新型フォレスター唯一のガソリンターボモデルSPORT。みなとみらいを出発し、高速道路、市街地、海沿いの道と、さまざまな場面をともに走った。なかでも高速道路では、合流や追い越し時の力強さに加え、風が強い場所でもブレない安定感が心強かった。ステアリングを握る手にも余計な緊張が走らず、クルマを信頼して任せられる感覚があった。過度な主張はせず、それでも確かな安心感でドライバーに寄り添ってくれる存在。そんなSPORTとの時間は、気づけばあっという間に過ぎていた。

目的地に着くことだけがドライブの意味ではない。クルマに乗ることで、その場に立ち止まり、何かを感じることができる。場所を移動する手段だけではなく、自分自身を風景の中へ連れていってくれる存在。それが、旅をするクルマの本質なのかもしれない。陽が沈み、静かになった海辺で、私はそっとクルマのドアを閉めた。余韻だけを残して、三浦での、フォレスターとの旅が終わった。


- 黒木美珠 KUROKI Mijyu
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自動車系YouTuber、ライター 、インフルエンサー
幼少期からクルマと親しみ、SUPER GT観戦や祖母の運転するS2000でのドライブなどを通じて自動車への情熱を育む。洗車専門チャンネルを開設後、95日間の車中泊による日本一周旅、メーカー試乗会での新型車紹介など、幅広い内容を発信。クルマの性能だけにとどまらず、“作り手の想い”にも焦点を当てる自動車ジャーナリスト(卵)として活動中。


- FORESTER SPORT EX
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全長×全幅×全高 /4655×1830×1730mm
最低地上高 / 220mm
エンジン / 1.8L DOHC 直噴ターボ “DIT”
トランスミッション / リニアトロニック
駆動方式 / AWD(常時全輪駆動)
タイヤサイズ / 225/55R18
※撮影車両はサンルーフ装着車
↓フォレスターの詳細はこちら!

今回のルート
横浜横須賀道路 並木IC〜馬堀海岸〜長井海の手公園ソレイユの丘〜長者ヶ崎海岸


Photographs●茂呂 幸正
※こちらの記事は2025年夏号に掲載した内容です。