SUBARU 趣味の達人列伝
File2:サーフィンの達人
トピック | 2025/10
仕事も遊びも常に全力で情熱を注ぐSUBARU社員たち。その中には、さまざまな趣味のフィールドの達人がいます。フォレスターの純正アクセサリーは、商品企画の段階から“趣味の達人ヒアリング”を行いながら、趣味を極めた者だけが持つリアルな声(要望)を元に、開発されました。フォレスターのポテンシャルを極限まで解き放つ、純正アクセサリーの開発ドキュメントをお楽しみください。
- サーフィンの達人
- 大家 敏宏(おおや としひろ)
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株式会社SUBARU 商品事業本部
サーフィン歴30年。冬季に愉しんでいたスノーボードの傍ら大学生時代に友人に誘われてサーフィンを始め、以降はサーフィン一辺倒に。「30年経っても、伸びしろは尽きない」と、現在も良い波を求めて、週末になると茨城や千葉、湘南などの海に出かけている。
頭上にできるだけ空間を確保したい
●Why?
「私が愉しんでいるショートボードは、長さ170〜180cm、幅40〜50cm、厚み5〜7cm程のサイズで重さは2~4㎏程度のもので、紫外線や高温によるボードの樹脂劣化や盗難を防止するためにも、通常は車内に載せて運ぶのが一般的です。多くのサーファーは自作のフックを作ったり、アシストグリップにベルトを取り回したりとそれぞれ工夫して、頭上に積載できる空間を作ってボードを載せます。その際、ワゴンタイプのクルマだとフロント席の乗員の頭とボード先端が接近してしまうため、頭上にできるだけ広い空間が欲しいのです」
●達人の要望を解決するために生まれたアイテムは?
サーフボードホルダーに同梱されているスマートバーは、リヤ席のドア上にあるアシストグリップに固定します。さらに、リヤゲート側の左右の柱(Dピラー)にあるくぼみに、ユーティリティフック2個(別売)を取り付け、そこにユーティリティバー(別売)を装着します。
リヤ席のアシストグリップに固定したスマートバーは、実は市販品としても販売されていて、本来はミニバンなどの3列シートを想定した設計になっており、2列目と3列目のアシストグリップにそれぞれ装着することが前提の商品です。従って、フォレスターのような2列シートの乗用SUVでは使用することができませんでした。新型フォレスターでは、3列目のアシストグリップの代わりに、Dピラーのユーティリティフックを活用してユーティリティバーを装着し、このスマートバーと組み合わせることでカーゴルーム後方に新たな積載スペースを生み出しました。ここにサーフボードを載せることでサーフボードはリヤ席上部までで収納できるようになり、フロント席の頭上に十分な空間を確保しました。
大切なサーフボードを傷つけたくない
●Why?
「サーフボードは内側に発泡スチロールやポリウレタンのような軽くて柔らかい素材を用いた発泡樹脂(フォームコア)と、それを覆う薄い外殻(ラミネート層:ガラス繊維やカーボンファイバーなどの樹脂を用いた強化材)からできています。そのため、波や人の体重のような面で受ける荷重には強いのですが、小さな突起物がぶつかった時に発生する局所荷重には弱いのです。私も以前、リヤ席のシートバックを倒してサーフボードを載せたとき、リヤ席シートバックを固定するための小さな金具(ストライカー)が軽く当たっただけでサーフボードに穴が開いてしまい、ショックを受けたことがあります」
●達人の要望を解決するために生まれたアイテムは?
リヤ席のアシストグリップに取り付けるスマートバーは、太いパイプと細いパイプが中央のジョイント部で固定された“パイプASSY(アッセンブリー)”と、その両端部に取り付けたステイというパーツで構成されています。サーフボードを積載する際は、スマートバーにボードの先端部分を載せてベルトで固定するのですが、その際、パイプASSYのジョイント部の小さな突起でボードが破損する恐れがありました。そこで、突起とサーフボードが触れないようにこの部分を覆うボードクッションを用意しました。ボードクッションは2つあり、ひとつはスマートバーの突起に、もうひとつは後方のユーティリティバーに巻き付けることで大切なサーフボードが突起や金属に直接触れることがないように配慮しています。
サーフボード先端カバーは、ボードを積むときに、サーフボードの先端に被せて、ベルトでスマートバーに固定して使います。ボードを固定すると同時に、先端部が車両の天井に接触して傷付くのを避けるためのパーツです。
海水や砂も気にせず使えるクルマにしたい
●Why?
「海と言えば海水と砂浜があるのは当たり前。いちいち気にしていたらサーフィンに集中できないので、サーファーの間では海水や砂を気にせずに使えるバンタイプのクルマが人気です。でも、家族と一緒に出かけるときや海までの移動時はできるだけ快適に過ごしたい。ということで、選ばれるのが乗用SUVです。乗用タイプなので海では海水や砂をできるだけ持ち込まないよう気を付けて使うし、使用後の掃除も欠かせません。そこで、乗用SUVで海水や砂も気にせず使えるクルマがあればサーファーの最高の相棒になるのです」
●達人の要望を解決するために生まれたアイテムは?
今回、オールウェザーシートカバーを新たに開発する際に重視したのは、“確実に防水する機能”と“取り付け・取り外し・収納のしやすさ”です。
防水機能では素材に着目しました。従来のオールウェザーシートカバーは、クッション生地の表面に撥水加工を施すことで、使用感の良さと機能性の両立を狙っていました。この撥水加工は、小雨や水しぶき程度であれば十分に水を弾いてくれる一方で、長時間濡れたり一定以上の水圧が掛かったりすると裏地に水が沁みてきてしまうことがあります。また、素材表面にコーティングを施してあるため、汚れた際に洗濯できないことも欠点でした。そこで今回はサーフィンのようなハードなアクティビティでの使用を考慮し、水や汚れからシートを守る機能に振り切って開発しました。
生地は防水性に優れたポリエチレンにポリウレタンを用いたラミネート層を貼ることで、水や汚れの侵入を完全にブロックします。このようなラミネート加工は、雨具やテントなど、完全防水が求められるアイテムで広く使われています。濡れた後は、表面の水を落として乾かせば元の状態に戻り、汚れてしまった場合は手洗いで洗濯できるのでお手入れも簡単です。
使い勝手においては、“取り付け・取り外し・収納のしやすさ”を重視しました。従来品はシートの形状に合わせて設計されたヘッドレストカバーとシートカバーをそれぞれ装着するセミカバータイプで、着脱に時間がかかっていました。そこで、今回はエプロンのようにシート前面のみを覆う一体型の“エプロンタイプ”を採用しました。取り付ける際は、シートカバーをヘッドレストに引っ掛けてから座面に向けて拡げていき、腰部にあるウレタン棒の入った帯を背もたれと座面の隙間に差し込んだ後、ヘッドレスト部のベルトで弛みを調整すれば完了です。外す際はそのまま上に引っ張るだけで瞬時に引きはがすことができます。設計検討の段階では、脱着時間30秒以内を目標に構造や装着方法を考えました。サーファーのように、別の良いポイントを求め、濡れたり汚れたりしたまますぐにクルマで短距離を移動するようなシチュエーションを想定しています。構造がシンプルなため、使わないときは小さくたたんでドアポケットに収納しておくこともできます。
荷室にコンセントがほしい
●Why?
「サーフィンに出かけるときはポリタンクに水を入れて持っていき、サーフィンを終えて帰る前にこの水で身体やボードに付いた海水や砂を洗い流します。洗い方は人それぞれですが、簡易シャワーがあれば水も節約できるし、ていねいに身体を洗うことができます。私も乾電池で稼働するポータブルシャワーを使っていますが、家庭用シャワーのような水圧はありません。AC100Vの家庭用コンセントが荷室にあれば、高圧洗浄機のシャワーモードや温水シャワーなども使うことができそうなので特に冬季には重宝すると思います」
●達人の要望を解決するアイテムは?
ストロングハイブリッドを採用したフォレスター Premiumグレードでは、メーカー装着オプションでアクセサリーコンセントが設定されています。車両が走行可能な状態のとき、大容量バッテリーからAC100Vを供給し、さまざまな家庭用の電気製品を使うことができます。また災害などの緊急時に備えて、走行機能を停止した状態でも給電できるシステムも設定しています。
お悩み:海にいる間、クルマのキーはどこに置く?
「サーファーにとって、“海にいる間、クルマのキーをどうするか”は、常に悩みの種です。ダイヤルロック式のキーボックスに入れてドアハンドルや牽引フックなどに引っ掛けておくのをよく見かけますが、見える場所にキーがあるため、盗難リスクはゼロではありません。そんなサーファーの悩みを解決してくれるのが、SUBARU車の暗証コード式キーレスエントリーです。予めリヤゲートにあるリクエストスイッチを押して5ケタの暗証番号を登録しておくと、アクセスキーが無くてもドアを解錠できるのです」
お悩み:海までの行き帰りがタイヘン!
※「アイサイトX」は、Premium S:HEV EX、X-BREAK S:HEV EX、SPORT EX、SPORT EX Black Selectionに標準装備です。(2025年10月現在)
「群馬県太田市に住んでいる私の場合、茨城県、千葉県、湘南のいずれへ行くにしても最低でも高速道路を利用して片道2時間を要します。大抵は未明から移動し、日の出の頃から海を愉しんで午前中いっぱいで帰るのですが、ちょっと海にいる時間が長くなると休日の交通集中時間帯と重なって3時間以上かかってしまうこともあります。そんなとき、ありがたみを実感するのがアイサイトの運転支援機能です。有料道路に入ってACC(全車速追従機能付クルーズコントロール)をONにすれば、ひと安心。先行車の速度変化や渋滞で停止・発進を頻繁に繰り返すような場面でも、アクセルやブレーキ操作をアシストしてくれるので、好きな音楽を聴いてリラックスして運転できます。さまざまなシーンで便利に使える実用的な機能を豊富に備えたフォレスターが、皆さんのアウトドアアクティビティをしっかりサポートします」
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