SUBARU BRZ フロントスタイル SUBARU BRZ フロントスタイル

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The Subaru Engineering スポーツカーが文化として継承されていくことを願って。 The Subaru Engineering スポーツカーが文化として継承されていくことを願って。

2代目SUBARU BRZの誕生。

BRZとは「Boxer engine」「Rear wheel drive」「Zenith」に由来し、SUBARU水平対向エンジンから生まれた究極のリヤホイールドライブを意味するクルマである。2012年、TOYOTAとのアライアンスにより登場した初代SUBARU BRZは、SUBARU BOXERを核とする低重心パッケージングによる比類ない運動性能を誰もが愉しめるクルマとして多くのファンに愛され、スポーツカー文化を日本に醸成していった。

そして2代目は、この文化を継承し、さらに裾野をひろげていくためにその存在価値を問うものである。そこで私たちは、スポーツカーとは何か、原点に立ち返って考え抜いた。「見て触れるだけで魅了される」「ハイパフォーマンスを安心して愉しめる」「愛着をもって共に暮らせる」。このように定義し、TOYOTAとのアライアンスが“1+1=2”以上になるようにSUBARUだからできるエンジニアリングを追求した。

スポーツカーの悦びが生きるチカラになる。

SUBARUにとって「安心と愉しさ」は本質的価値であり、それはスポーツカーであっても不変。いや、スポーツカーだからこそ突き詰めるべきだと考えた。自然吸気で究極レベルといえるSUBARU BOXERの開発。空力マネージメントの導入。低重心化とともに取り組んだ、軽量・高剛性ボディの飽くなき追求。世界トップレベルの衝突安全。2代目SUBARU BRZのために全社レベルで取り組んだ挑戦は数えきれない。こう表現すると、とても頑固で無骨なエンジニア集団と思われるかもしれない。だが、このプロジェクトにかかわったすべての人は、多くの困難に立ち向かっても、クルマづくりを心から愉しんできた。

その根底に流れるすべての基準。それはスポーツカーとして、心が走るか否か。ただストイックに走るだけのクルマではない。走りを極めることで生まれた安心と愉しさ、質感の高い心地良さ、愛着がもてる存在感…。そんなスポーツカーの悦びが生きるチカラになる。そして文化として継承されていくことを願って、SUBARUらしいスポーツカーをみなさまに届けたいと思う。

The Subaru Engineering
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Design.

美しさと機能性が一体になってこそカッコ良いと感じるものだ。

SUBARU BRZ 開発ストーリー Design. イメージ SUBARU BRZ 開発ストーリー Design. イメージ

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目指したのは、心が走り、長く愛せるデザイン。

デザイン開発は、まずスポーツカー論からはじまり、各部のディテールに至るまでチームメンバーが膝を突き合わせて多様な議論を重ねていった。そこで、クルマの個性を大胆に際立たせるSUBARUのデザインコンセプト「BOLDER」にも共通する動的感性や体幹を鍛えるという考え方がデザインの骨格となった。

SUBARUのアイデンティティであるヘキサゴングリルを懐に、超低重心をフルに感じさせるロー&ワイドなスタンス。そしてリヤフェンダーが力強く張り出したグラマラスなボディ面。FRスポーツの存在感を美しく際立たせたそのスタイリングは、スポーツカーとして意味のある造形を追求し、見ているだけで心が走り出し、長く愛せるデザインを目指した。

また感性をリアルな形にする手法としてクレイモデルにこだわった。モデラーたちの手が生み出す有機的な3次元造形は、CGではつくれない感覚的な美しさと質感をもたらすからだ。例えばモデラーが心地良く感じた面は、オーナーの方が洗車の際に手のひらで撫でたときに同じように感じると思う。

空力デザインに見せる、こだわり。

さらにモータースポーツの知見によって、エンジン、車体に次ぐ第三のパフォーマンスとして空力性能に着目した。その効果は、例えば高速道路のレーンチェンジで直進状態に戻る際に揺り戻しが小さいなど、安定性の違いとして実感いただけると思う。

なかでもフロントバンパーダクトに装着され、前方からの空気抵抗を分散させる空力テクスチャーは、SUBARUがGT300で実戦投入を行い、有機的なパターンの角度を変えることによってマシンの空力性能を研ぎ澄ましている最先端技術だ。

スポーツカーは、美しさと機能性が一体になってこそカッコ良いと感じるもの。だからこそSUBARU BRZは、ボディ全体はもちろん、ダクト類、フィン、スポイラーなど、ディテールまでSUBARUらしいデザインポリシーを貫いた。

 
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Subaru Boxer.

アクセルでクルマをコントロールする悦びに浸ってほしい。

SUBARU BRZ 開発ストーリー Subaru Boxer. イメージ SUBARU BRZ 開発ストーリー Subaru Boxer. イメージ

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「究極のBOXER」を目指して。

SUBARU BOXER。それはSUBARU BRZに超低重心パッケージングとともに、エンジンフィールという独自価値を与えるものである。それゆえ2代目の開発にあたっては「究極のBOXERを載せる」という使命感が私たちの情熱をかきたてた。

そもそも内燃機関の本質的な魅力はピストンの鼓動がもたらすトルク感と吹け上がりの気持ち良さにある。軽量コンパクトで左右のピストンが互いに振動を打ち消しあうBOXERには、その特性からガソリンエンジンの可能性をさらに追求できるはずだと考えた。そして純粋な内燃機関の集大成として最上のエンジンにしようという思いを込めて、2L超の4気筒エンジンでありながら、かつてない高回転域までトルク感をキープしたまま吹け上がる自然吸気BOXERへ挑むことにした。

BOXER FA24の誕生。

開発テーマはシンプルに「全域で高トルクを維持する」「7000回転超まで気持ち良く吹け上がる」の2つだ。そのために選択したのが、シリンダーブロックの大きさを変更せず94mmへボア径を拡大する排気量アップである。400ccの排気量増は大いなるトルクを期待させてくれた。だが、回転系の質量増大はこれまでと別次元の負荷をもたらすことがわかり、7000回転の壁が立ちふさがった。

従来型(FA20)で限界まで突き詰めた高回転域を94mmのボア径で実現するためには、あらゆる知見を取り入れる必要があった。そのひとつが、WRCをはじめSUBARUのスポーツエンジンとして30年にわたり活躍したEJエンジンからのフィードバックだ。コンロッド形状をはじめ耐久・信頼性を高める数々のデータが開発を後押しした。そして燃焼効率を極限まで高めてくれたのがアライアンスの象徴ともいえるTOYOTAの直噴技術D-4Sである。この結果、従来比で約18%高められた最大トルクへ3700回転で達し、息継ぎすることなく心地良いサウンドとともに7500回転まで吹け上がるBOXER FA24が誕生した。

自然吸気エンジン×後輪駆動スポーツカーの醍醐味であるアクセルでクルマをコントロールする悦び。そしてBOXERの滑らかな鼓動がもたらす上質で精緻なエンジンフィール。それはスポーツ走行領域だけでなく、日常のドライビングでも堪能できるSUBARU BRZだけの愉しみと言えるだろう。

 
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Packaging.

運動性能をさらに進化させるには、
低重心化とヨー慣性モーメント低減しかない。

SUBARU BRZ 開発ストーリー Packaging. イメージ SUBARU BRZ 開発ストーリー Packaging. イメージ

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さらなる低重心と、最適な重量配分の追求。

スポーツカーの性能を決定づける要素とは何か。その一つが専用のパッケージング開発にある。なぜなら真のスポーツカーは量産セダンなどのフレーム共用では決してつくれないからだ。その意味で、SUBARU BOXERのパワートレーンからフロントデフをなくすことによって超低重心化を図った初代SUBARU BRZのFR専用パッケージングは、エンジンや乗員を理想の位置に配置する究極のディメンションであった。これを根本から進化させるには何をすべきかを徹底検証。これまでのパッケージングを踏襲しつつ材料の置換によって53:47という最適な重量配分を追求しながら、さらなる低重心化と車体中心への重量集中を図ることが目標となった。SUBARU BRZの運動性能を進化させるには、車両のロールを抑えて俊敏な動きをもたらす低重心化と回頭性の向上に直結するヨー慣性モーメント低減しかないという結論に至ったのだ。

低重心化をもたらすアルミ素材へのこだわり。

そこで低重心化への開発の焦点は、ルーフのアルミ化に絞られた。世界的に見ても、アルミルーフのクルマは稀有なのだが、想像以上の難問が私たちを待ち受けていた。試行錯誤は2年近くにおよびタイムリミットが近づいたが、「SUBARUにしかできないことをやろう」という思いが、設計・製造の部門を超えてプロジェクトメンバーを奮起させた。社外の研究所やサプライヤーからの情報収集もいとわなかった。最終的には、スチールとアルミの複合化に向けて、一台一台のルーフを人の手によって接合するという手間のかかる方法で作り上げることとなった。そんな苦労の甲斐あって、重心高-4mmを達成することができた。

また、ルーフだけでなくフロントフェンダー、フロントアクスルハウジングのアルミ化にもこだわり、ヨー慣性モーメントの低減へ貢献している。そのドライビングへのメリットは、回頭性と旋回スピードが向上し、意のままのハンドリングがより研ぎ澄まされることだ。スポーツカーとして徹底的に鍛え上げられたボディやタイヤとの相乗効果と合わせて、走りの違いを実感していただきたい。

*社内測定値(前後重量配分53:47はMT車・2名乗車時)

 
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Platform.

少し先の動きが読めるほど、クルマが手の内にある。

SUBARU BRZ 開発ストーリー Platform. イメージ SUBARU BRZ 開発ストーリー Platform. イメージ

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ハイパワーをしっかり受け止めるボディ。

2代目SUBARU BRZには、BOXER FA24によって高められた動力性能にふさわしいボディ&シャシーが必要になった。そもそもクルマが曲がるメカニズムとは、ステアリングを操作した力が、ボディ前部、そして後部へ伝わり、リヤタイヤにコーナリングフォースを発生させる一連の動きで成立する。そこでハイスピードになるほど増大する力をしっかりと受け止めるボディの強さが不可欠となる。そのために、曲がろうとする力を、より速く、よりスムーズに伝達できる均質かつ高度なねじり剛性、さらに路面の凹凸や荷重変化に対してリヤタイヤの接地性をしっかり確保できる高剛性ボディの開発が目標となった。

研ぎ澄まされたハンドリング感覚。

2代目にはスバルグローバルプラットフォームの知見を基に、フロントの横曲げ剛性を高め荷重伝達を向上する補剛を行うとともに、車体後部のフレームにはねじり剛性を高める環状構造を採用。さらにステアリングギヤボックスの支持剛性、前後のサスペンションとリヤスタビライザーの取り付け部剛性も一段と高めた。この結果、限界横G付近におけるリヤタイヤの接地性が大きく向上したことで、「少し先の動きが読めるほど、クルマが手の内にある」と言えるまでにハンドリング感覚が研ぎ澄まされた。サーキットなど限界領域での安心感に満ちたコントロール性能はもちろん、日常の何気ない走りでも愉しいと感じる意のままの応答性を実現する。その「安心と愉しさ」はSUBARUらしいスポーツカーの真骨頂である。

走りと安全を両立する、スポーツボディ。

また開発にあたっては、運動性能を高める軽量ボディと世界トップレベルの衝突安全基準を同時に達成するという複合的な課題が山積みとなった。ここでも目標達成に妥協することなく、最新のホットプレス材をはじめ高張力鋼板の採用拡大など、走りと安全を両立させる高度なプラットフォームの設計に挑んだ。抜群のハンドリング応答性、速い旋回性能、振動を抑えた車体、さらに強化された衝突安全。スポーツカーとしてトップレベルの走りと安全をもたらすボディ構造は、SUBARUのスポーツラインアップを支える礎となるに違いない。

 
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Safety.

安心に裏打ちされた走りの愉しさ。

SUBARU BRZ 開発ストーリー Safety. イメージ SUBARU BRZ 開発ストーリー Safety. イメージ

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「走りを極めれば安全になる」。

「走りを極めれば安全になる」。私たちが連綿と受け継いできたクルマづくりの哲学は、スポーツカーであっても例外ではない。研ぎ澄まされたアクセルレスポンスやハンドリングが高揚感につながる一方で、万一の危険回避にも瞬時に反応できる余裕を生み出す。安心に裏打ちされた走りの愉しさ。スポーツカーを極めたSUBARU BRZにとって、安全性能を磨くことは開発の重要なファクターだった。

4つの安全が導く安心と愉しさ。

事故を起こしにくくする運転環境の整備を目指す0次安全では、水平基調のインパネデザインや死角を抑えたピラー、ドアミラー形状により、良好な運転視界を実現。使いやすい操作環境とともにロングドライブの疲労感を和らげる。

走行安全では、前後重量バランスの追求と低重心化、徹底した高剛性化により、危険回避を高めるハンドリングと走行安定性を追求。スポーツ走行時に発生しやすい横滑りに対しては安全デバイスが無理なく自然な介入で制御する。

衝突安全性能では、高張力鋼板の多用や骨格の強化により、さらに厳しくなった世界基準に適合した。

そして交通事故のない社会を目指し進化を続ける予防安全性能として、安全運転を支援する「アイサイト」をAT車に搭載した。車高が低く、室内高にも制限があるスポーツカーに合わせて前方視界を妨げずに、カメラによる前方認識をしっかり確保している。

また強いGのかかるスポーツ走行を想定して、詳細かつリアルな運転環境データを手に入れるため、国内のみならず海外での試験走行を実施し制御に磨きをかけている。例えばクルーズコントロールの加減速は質感の高い自然で滑らかな制御により、ドライバーだけでなく同乗者にとっても快適なドライブを実感していただけるだろう。

スポーツカーとして心躍るハンドリングを提供しながら、過度の不安や緊張をできるだけなくし、万一の時も乗員にかかる危険の芽を摘んでいく。それが、SUBARU BRZの求めた安全性能の答えである。

 
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