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星々の軌跡

水平対向エンジン60年の歩み〜Vol.5 第四世代〜

トピック | 2026/07

カートピア 水平対向エンジン60年の歩み〜Vol.5 第四世代〜 | SUBARU

合理的なFFパッケージングを実現するために開発された、SUBARU BOXERの原点である第一世代EA型。そして、高性能モデルを中心にSUBARUのスポーティな走りを支え、世界のモータースポーツシーンでも活躍した第二世代EJ型。今回はこれらの系譜を引き継ぐ第四世代の軌跡を辿りましょう。

※各世代の代表的なモデルを紹介しています。また、社名やモデル名などの表記は当時の名称を記載しています。

第四世代(CB18型直噴ターボ:DIT)

骨格から見直し、軽量コンパクト化を追求した新設計のBOXERターボ


2020年、2代目レヴォーグとともに登場したのが「CB18型」である。世界的なカーボンニュートラルへのシフトが加速し、クリアできなかったメーカーには厳しい罰則が課せられるCAFE(企業別平均燃費)規制がより一層厳格化される中、自動車のエンジンにはこれまで以上の高効率化とともに、車体パッケージングに貢献する軽量・コンパクト化が強く求められていた。

カートピア 2020年発売の2代目レヴォーグ GT-H EX(CB18型 水平対向4気筒 DOHC デュアルAVCS 直噴ターボ “DIT”) | SUBARU
2020年発売の2代目レヴォーグ GT-H EX(CB18型 水平対向4気筒 DOHC デュアルAVCS 直噴ターボ “DIT”)

SUBARUは、BOXERが持つ魅力を守りつつも、時代に適応するために「内燃機関としての究極のエンジンパッケージング」を追求。排気量やパーツの肉厚を最適化した、研ぎ澄まされた設計により、1.8Lというサイズにおける「最も軽量・コンパクトで、最も熱効率が高いBOXERの理想形」を具現化した。それが、このCB18型であった。

カートピア 水平対向エンジン第四世代(CB18型直噴ターボ:DIT)の写真。 | SUBARU
水平対向エンジン第四世代(CB18型直噴ターボ:DIT)。

その実現のために、従来のFB型からエンジンの骨格そのものを全面刷新している。内部のパーツも製造限界まで薄肉化するなどの緻密な取り組みを重ね、FB型比でさらなるサイズダウンを実現。この徹底した小型・軽量化こそが、CB18型が目指した技術の核心である。

また燃焼技術においては、少ない燃料で効率よく燃やす「リーンバーン(希薄燃焼)技術」を採用した。これにより、全域での扱いやすさと優れた環境性能を両立している。

カートピア 2020年10月発売の5代目フォレスターSPORT(CB18型 水平対向4気筒 DOHC デュアルAVCS 直噴ターボ“DIT”)の写真。 | SUBARU
2020年10月発売の5代目フォレスターSPORT(CB18型 水平対向4気筒 DOHC デュアルAVCS 直噴ターボ“DIT”)。

CB18型の魅力は、自然なフィーリングにある。アクセルを軽く踏むと、クルマがすっと前に出る。街中では扱いやすく、高速道路では余裕がある。過度にスポーティな演出ではなく、日常のあらゆる場面で気持ちよく走れることを大切にしたエンジンである。

無駄を徹底的に排除しながら効率を高め、走りの気持ちよさも守る。CB18型は、BOXERの伝統を次の時代へとつなぐ存在といえる。

第四世代(ハイブリッド専用FB25型)

電動化の時代にも受け継がれるBOXERの走り


一方で、各メーカーにとって、バッテリーEVやハイブリッドシステムの投入は大きなテーマとなっていた。

そうした状況下でも、SUBARUが目指したのは単に燃費が良いだけのクルマではなかった。シンメトリカルAWDがもたらす安定感、水平対向エンジンの低重心、そしてドライバーが安心して走れる感覚を、電動化の時代にも継承すること。それが開発の大きな軸となったのである。

その答えとして生まれたのが、次世代e-BOXER(ストロングハイブリッド)である。SUBARU独自の水平対向エンジンとAWDレイアウトに高出力の駆動用モーターを組み合わせ、効率のよい電動化技術とSUBARUらしい走りの両立を目指した。 中心となるエンジンは、ハイブリッド専用に仕立てられた「FB25型」である。

カートピア SUBARU車のエンジンやモーターの透視図。 | SUBARU
SUBARU独自のBOXERエンジンとシンメトリカルAWDに、2つのモーターとバッテリーを組み合わせたストロングハイブリッドシステム。

このエンジンは、単独で力強さを誇るのではなく、モーターと協力しながら、クルマ全体として効率よく自然に走るための心臓部といえる。加速が必要な場面ではモーターが力を補い、エンジンは得意な領域で効率よく働く。これにより、燃費性能を高めながら、発進時や低速走行での滑らかさも実現した。

カートピア 2025年発売の6代目フォレスター Premium S:HEV EX(FB25型 水平対向4気筒 DOHC AVCS 直噴+2モーター[e-BOXER(ストロングハイブリッド)])の写真。 | SUBARU
2025年発売の6代目フォレスター Premium S:HEV EX(FB25型 水平対向4気筒 DOHC AVCS 直噴+2モーター[e-BOXER(ストロングハイブリッド)])。

こうして生まれたハイブリッド専用FB25型は、優れた環境性能を発揮しつつも、SUBARUが大切にしてきた低重心が生む運動性能とAWDの安心感を失わないためのコアといえる存在になった。電動化の時代にBOXERをどう生かすのか。その問いに対する、ひとつの回答がここにある。

※こちらの記事は2026年夏号に掲載した内容です。

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