NEW OUTDOOR STYLE 最前線
“オール電化”で愉しむ
次世代キャンプ〜前編〜
トピック | 2026/09
電気を活用することで、アウトドアの愉しみ方はさらに広がりを見せている。調理も、くつろぎも、車中泊も、もっと快適に。しかも、その電源を担うのはクルマだ。大容量バッテリーを搭載した新型BEV「トレイルシーカー」とともに、“オール電化キャンプ”という新しい魅力を体験した。
前編では、設営、料理の様子をレポートします。
※BEV=Battery Electric Vehicleの略。バッテリーとモーターのみで動く電気自動車のこと。
EVキャンプの実践者とBEVのプロが挑戦
火を囲み、自然の中で過ごす。キャンプと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはそんな光景だろう。火を扱う愉しさや自然の中であえて不便さを味わう醍醐味がある一方で、設営や火起こし、後片付けの手間、道具を揃える負担を感じる人が少なくないのも事実だ。そんなキャンプの入り口を、ぐっと軽やかにしてくれるのが“オール電化”という選択肢である。
そしてその電源を、大容量バッテリーを搭載した電気自動車(BEV)が担うという、新たな選択肢も生まれている。キャンプ場には電源付きサイトもあるが、BEVならクルマそのものが電源になる。どこへでも電気を持ち運べることが、オール電化キャンプの可能性をさらに広げてくれるのだ。
今回活躍するのは、新型BEV「トレイルシーカー」。大容量バッテリーや広い荷室など、アウトドアとの相性の良さを活かしながら、設営から調理、くつろぎの時間まで、電気のあるアウトドアを体験する。
今回、このオール電化キャンプに参加するのは、EVキャンプの実践者として活動する辻榮さんと、千葉スバルのBEVライフデザイナー(BLD)である山本さん、加藤さんだ。
辻榮さんは、EVオーナーとして長年EVライフを実践しながら、キャンプや防災、再生可能エネルギーの活用など幅広い分野で情報発信を行うEVライフの第一人者。EVを単なる移動手段ではなく、「暮らしを豊かにする道具」として活用するスタイルを提案し続けている。
一方、山本さんと加藤さんは、SUBARUが認定するBLDだ。日頃からBEVに乗り、その魅力や使い方を熟知する“BEVのプロ”。 キャンプ経験豊富な辻榮さんに対し、BLDの二人はキャンプ初心者。電気を活用することでアウトドアはどれほど身近になるのか。その愉しさを確かめていく。
設営をサポートする電動ギア、家電を活用したキャンプ飯、ゆったりと過ごすくつろぎの時間、そしてBEVならではの快適な車中泊。電気があることで、キャンプの選択肢はどこまで広がるのか。まずは、その第一歩となる拠点づくりから見ていこう。
- 山本 一行 (左)
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千葉スバル 市原店/BEVライフデザイナー
- 加藤 秀之 (右)
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千葉スバル 柏の葉店/BEVライフデザイナー
- 辻榮 亮 (中央)
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環境に配慮した「土に還る革製品」を作る革職人。電動車輌推進サポート協会 代表。EVとの暮らしや非常時の電力活用について情報発信を行う。「EV×防災×キャンプ」がテーマのオール電化キャンプイベント「EV SUMMER CAMP」等を主催し、電気自動車の実用性や愉しさを伝えている。
電気をフル活用して設営もスマートに
準備が大変。そんなキャンプのイメージを大きく変えてくれるのが、オール電化キャンプだ。電動ギアで設営を効率化し、冷蔵・冷凍庫で食材を管理。さらにトレイルシーカーの給電機能と積載力が加われば、キャンプの準備がもっとスマートになる。
ギアの組み合わせで拠点づくりを大幅時短
辻榮さんが愛用するエアテント(写真左)は、電動エアポンプで空気を入れるだけで立ち上がり、複雑な組み立てもない。ペグで固定すればあっという間に完成する。ファミリーサイズでも簡単に組み立てできるので、設営で疲れ切ってしまうこともない。
「キャンプ場でテントと格闘することなく、すぐに設営を終えてお子さんと遊ぶ時間や、ゆっくりする時間に使えるのでファミリーにもおすすめです」と、辻榮さん。効率化だけでなく、家族や仲間と過ごす時間を増やすために電気を活用する。それも辻榮さんが提案するオール電化キャンプの考え方だ。
大きな荷物もトレイルシーカーなら安心
キャンプではテントやチェア、テーブルに加え、オール電化キャンプとなると冷蔵庫や調理家電など大きな荷物が増えがち。そうした荷物でも余裕を持って積めるのが、荷室容量が633L※と高い積載性を持つトレイルシーカーならでは。開口部も広く、大きな荷物もスムーズに積み下ろしができる。
また、荷物で両手がふさがっているときは、足先の動きで開閉できるキックセンサー付パワーバックドアが活躍する。トレイルシーカーの積載力があれば、今度はあの家電も持っていってみようかな?と、次の愉しみも膨らむ。
※ドイツの自動車工業会による測定方式「VDA法」による数値。
※ET-SSの可変フロアボード下段時。ET-HSは619L。
冷蔵庫&冷凍庫で当日の調理を最小限に
あらかじめ自宅で下ごしらえした食材を冷蔵庫に入れて持ち込めば、加熱や解凍など簡単な工程で調理を愉しむことができる。また、夏場は食材の鮮度管理が気になるところだが、冷蔵・冷凍庫を活用すれば傷む心配もない。冷蔵庫が使えることで、食材の保管場所としても活躍する。負担を減らしながら、アウトドアでの愉しみはむしろ広がっていく。辻榮さん「家で準備する以外にも、スーパーや道の駅で気になるものを買って持っていくのも愉しいです。今回は大きなぐるぐるソーセージを見つけたので、持ってきてみました!」。
外部給電には純正アクセサリーがおすすめ
トレイルシーカーの荷室にはアクセサリーコンセント(AC100V/1500W)が備わっており、それを使って外部給電をすることも可能。だが、複数の家電を使うなら純正アクセサリー「ヴィークルパワーコネクター」がおすすめ。普通充電インレットに接続するだけで、電化製品を使用できるコンセント(AC100V/1500W)に早変わり。延長ケーブルを繋げば調理家電や冷蔵庫、照明など、さまざまな電化製品を使用でき、キャンプサイト全体の使い勝手を高めてくれる。バッテリー残量が所定の値を下回ると自動で給電を終了するので、給電中に電欠をしてしまう心配もない。
※ヴィークルパワーコネクターは走行中に使用できません。
※ヴィークルパワーコネクターによる外部給電中、アクセサリーコンセントは使用できません。
注意事項については必ず取扱説明書をお読みください。
いつもの家電で、いつも以上のキャンプ飯
IHコンロやエアフライヤー、冷蔵庫などを活用すれば、これまでのキャンプでは準備や後片付けが大変だった料理にも気軽に挑戦できる。揚げたての一品や新鮮なサラダ、冷たいデザートまで。オール電化キャンプだからこそ実現できる、新しいキャンプ飯の愉しみ方があった。
普段のように調理できる安心感
オール電化キャンプの大きな魅力は、家で使っている家電をそのまま持ち出せることだ。特別な技術がなくても、普段の暮らしの延長でキャンプでの食事を愉しむことができる。
冷蔵庫から取り出したサラダを並べ、IHコンロでソーセージを焼く。定番の家電の他にも、辻榮さんはエアフライヤーを持参。「キャンプで唐揚げを作ろうと思うと大変ですが、これなら油の処理を気にしなくていいので、手軽に挑戦できます」。
しばらくすると、香ばしい揚げたての鶏の唐揚げが出来上がる。キャンプで作るにはハードルが高い料理が次々と仕上がり、BLDの二人も思わず驚く。火加減や火起こしに気を取られないぶん、料理の時間そのものに余裕が生まれていた。
(右)ブレンダー:冷蔵庫で持ってきたフルーツで、スムージーやフルーツジュースを作れば、キャンプの朝ごはんがちょっと特別に。
「キャンプだから」という固定観念を取り払い、家で使っている道具を活用しながら、自分らしいスタイルでアウトドアを愉しめる。暮らしの延長で愉しめるからこそ、新しい一歩を後押ししてくれる入り口になりそうだ。
【後編】設営や調理で浮いた時間をどう過ごす?ゆとりが生む思い思いの時間
月夜湖むつざわオートキャンプ場
住所:千葉県長生郡睦沢町妙楽寺2748
定休日:火・水(平日は不定休)
駐車台数:30台。全サイト車横付け可。
牽引されているトレーラーなどは入場不可。
Photographs●成田 伸也
※こちらの記事は2026年夏号に掲載した内容です。