3軒の店を通して知る、里山の暮らし。
私はそれを疑似体験ではなく、
実体験として肌で感じた。

レヴォーグで旅する新潟県の旅

2021.11.25 | #4 Niigata Touring /Day4:STAY「今成漬物店/宮野屋/欅苑」

里山で暮らすような穏やかな滞在。そんな稀有な体験ができる『里山十帖 THE HOUSE』は、空間だけでなくそのホスピタリティでも、里山の暮らしを伝えてくれる。たとえば宿の花形である夕食さえ、ゲストが望めば町にあるこの地らしい食事処を紹介してくれる、といった具合。

お言葉に甘え、スタッフの松浦由奈氏に里山の暮らしが垣間見えるスポットを尋ねてみた。まず返ってきた名は六日町の『今成漬物店』だ。 
新潟県 六日町今成漬物店の漬物 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
日本有数の豪雪地帯である新潟では、冬の食料確保のため保存食が必須だった。この地で漬物や発酵食が発展したのは、自然の流れだろう。『今成漬物店』は、そんな新潟で100年以上続く老舗。いわば地域に根づいた食文化の象徴のような一軒だ。
ここの代表的な漬物は、山家漬(やまがづけ)。地元で採れた野菜や山菜を、新潟の銘酒「八海山」の酒粕に漬け込んだ甘口の粕漬け。いつかどこかで食べたような、日本人のDNAに刻み込まれたような懐かしさがある。厳しい冬を迎える前に、備えとして野菜を漬け込む。古くから繰り返された風習を、大切に守り続けるからこその味だろう。
新潟県 六日町今成漬物店 | SUBARU グランドツーリングNIPPON

“いつかどこかで食べたような日本人のDNAに刻み込まれたような懐かしさがある”

続いての一軒は、『宮野屋』。山岳信仰の霊場として知られる『八海山尊神社』の門前で100年以上も続く老舗蕎麦処だ。神社の鳥居のすぐ脇に経つ蕎麦処といえば、観光向けの店と思われそうだが、さにあらず。昼ともなれば地元住民が次々と訪れては自慢の蕎麦に舌鼓を打つ。よそ行きの店ではなく、地元で「ちょっと食べに行こう」となる生活に根ざした店だ。
店構えは門前蕎麦らしく、風情ある佇まい。店内も年季が入った雰囲気だが、蕎麦は別。粗挽きの田舎風だがつるりとした美しさも醸し、新潟の主流である海藻でつなぐ“へぎそば”とも一線を画す。おそらく日々研究し、試行錯誤を繰り返す職人がいるのだろう。老舗で、かつ十分にファンを抱えている店でありながら、さらに上を目指す姿勢が好ましい。山菜や鯉料理など一品物にもこだわりが見え、どっしりと腰を落ち着けて楽しみたくなる。
新潟県 宮野屋のそば | SUBARU グランドツーリングNIPPON
三軒目のおすすめである『欅苑』は、この地ならではの里山料理が楽しめる店。品書きに並ぶのは山菜料理や囲炉裏で焼く岩魚や鮎、そして自家製の魚沼コシヒカリ。派手さはないが、滋味深い料理の数々は、新潟への旅の1ページを違和感なく彩ってくれる。
舞台となるのは明治3年に建てられたという茅葺き田舎屋造りの建物。重い雪を支えるどっしり太い柱や梁があるかと思えば、欄間には精巧な細工が施される。偉大な自然に対し、ただ息を潜めて耐えるのではなく、この地ならではの豊かさを追求し、表現する。料理からも設えからも、そんな気概が感じられる。
新潟県 里山料理欅苑の外観 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
ほかにも『里山十帖 THE HOUSE』の松浦氏は、散策路の美人林や絶景の清津峡などの見どころも教えてくれた。
「それに骨董屋さんもおすすめです。古い町だからアンティークショップが多く、驚くほど手頃な掘り出し物も見つかりますよ」。 
と付け加えた。まるで自分の宝物を自慢する子どものような、誇らしい顔。きっとこの町が好きなのだろう。これほどに人を惹きつける新潟という土地を、もっと深く知りたいと思う。

SHOP DATA

今成漬物店
新潟県南魚沼市六日町1848
TEL:025-772-2015     
URL:http://ag304.jp/kakou/yamayazuke/
宮野屋
新潟県南魚沼市大崎3742
TEL:025-779-2145     
URL:http://www.satoyama-jujo.com/journal/activities/areaguide/4311/
欅苑
新潟県南魚沼市長森24
TEL:025-775-2419    
URL:http://www.keyakien.com/
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