世界が認めたニセコのチーズ。
濃厚でコクが深いそのおいしさに
挑戦し続ける職人の心意気を垣間見る。

2022.07.08 | #45 Hokkaido Touring /Day3:EAT「ニセコチーズ工房」
ニセコに、世界的な評価も高いチーズ工房があるという。
いつかどこかで耳にした情報。チーズに目がない私は、ニセコを旅先に選んだときすでに、そこを訪れる決意をしていた。
場所はニセコ町の一角、羊蹄山のふもと。羊蹄山を横目に、ワクワクしながら車を走らせる。時折、遠くに草を喰む牛が見える。チーズへの期待がいっそう高まる。気持ち良い夏の道をしばし走って到着した黒い建物が、目的の「ニセコチーズ工房」だ。
チーズの匂いが漂っている。手前の木のドアがショップ、奥の建物は工房だろう。小さなドアを押し開けてショップへと進む。
思っていたよりも小さな店だった。ガラスのショーケースの中には、チーズが20種ほど。奥にはイートイン用のカウンターも併設されている。
目を引いたのは、店内のあちこちに置かれたメダルや賞状だ。手近なひとつを見てみると「WORLD CHEESE AWARDS」の文字。たしか世界最大級のチーズコンテストだったはず。その下には最高賞である「SUPER GOLD」。つまり世界一に輝いたチーズ、というわけだ。
賞状は他にも数々あった。額に入れずにそのままだったり、数枚が重なっていたり、無造作とも思える様子で置かれている。すべてを額装して飾るには、スペースが足りないのだろう。それほど、ここのチーズは認められているのだ。食べる前から、期待度は最高潮だ。
北海道 ニセコチーズ工房の内観 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
北海道 ニセコチーズ工房のショーケース | SUBARU グランドツーリングNIPPON
北海道 ニセコチーズ工房が受賞した数々の賞 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
ショーケースを物色していると、工房から白衣の人物が出てきた。声をかけてみると彼がこの工房のオーナーの近藤裕志氏だった。「たまたま手が空いた」という裕志氏にあれこれ尋ねてみた。チーズ作りの背景を聞いてみれば、よりいっそうおいしさが増すと思ったのだ。
聞けばここは裕志氏の父である先代が脱サラしてはじめた工房だという。北見で酪農を営む家に生まれたが大企業に務めていた先代が、思い立ってチーズ作りに挑戦。倶知安とニセコの生乳を使い、この地ならではのチーズを作る工房を2005年に開いた。その5年ほど後に、やはり別企業で働いていた裕志氏もチーズの世界へ。レシピ開発で先代と衝突しながらも、少しずつ独自の味を築き上げてきた。
「最初は観光地のチーズをやっていたんです」
「観光地のチーズとは?」
「つまりニセコに観光に来た人が買って帰るチーズです」
裕志氏はそう言った。
ニセコという観光地にあるのだから、観光地のチーズだ。それでは駄目なのだろうか? 私の疑問に、裕志氏は続ける。
「私が作りたいのは来た人が買っていくチーズではなく、買うためにニセコに来るようなチーズなんです」
その言葉には、決意と自信が満ちていた。
ニセコはチーズのために訪れるには、あまりに遠い。しかし裕志氏の想いは、形になりつつある。ニセコにしかない、ニセコらしいチーズだ。
北海道 ニセコチーズ工房 オーナー近藤裕志氏 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
北海道 ニセコチーズ工房 オーナー近藤裕志氏と発酵室 | SUBARU グランドツーリングNIPPON
北海道 ニセコチーズ工房 チーズをアルミホイルに包む様子| SUBARU グランドツーリングNIPPON
北海道 ニセコチーズ工房のチーズ | SUBARU グランドツーリングNIPPON
仕事に戻る裕志氏を見送って、イートイン用のチーズプレートをオーダーした。この日の内容は、ブルーチーズ、さけるチーズ、フルーツをあわせたクリームチーズ、12ヶ月熟成のミモレットチーズの4種。ブルーチーズは穏やかな風味でクセが強すぎず、食べやすい。さけるチーズはフレッシュなミルクの味わい。クリームチーズは爽やかでコクがあり、それだけでスイーツとして味わえるほど。そしてミモレットは、濃厚で凝縮された旨味が圧巻だ。どれもチーズの個性が際立ちながら、主張が強すぎないやさしい味だった。穏やかでありながら記憶に残る、ここだけの味だ。
次いで裕志氏が「自信作」と言っていたカマンベールチーズのソフトクリームを味わった。これも抜群だった。しっかりと熟成をかけたカマンベールチーズをたっぷりと混ぜ込んだ濃厚な味わいで、チーズ屋の本気が垣間見えた。
いくつかのチーズを購入して店を後にした。コク深いチーズたちの幸せな味が、まだ舌に残っている。今回は旅の途上で立ち寄って購入したチーズ。裕志氏の想いの通り、次はこのチーズを買うためにまたニセコを訪れることになりそうだ。
北海道 ニセコチーズ工房のイートイン用チーズプレート | SUBARU グランドツーリングNIPPON
北海道 ニセコチーズ工房のカマンベールチーズを使ったソフトクリーム | SUBARU グランドツーリングNIPPON

DATA

ニセコチーズ工房
住所:北海道虻田郡ニセコ町近藤425-6
電話:0136-44-2188
URL:https://www.niseko-cheese.co.jp/
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